モツゴ
12月2日。
かつては、関東地方以西の本州、四国、九州が自然分布域とされていたが、現在ではコイやフ
ナなどの種苗に混入して放流されるため、北海道から琉球列島にいたる日本全国に普通に見られ
る。国外での分布域は広く、中国、朝鮮半島、台湾島などから報告されている。湖や池沼、それ
に続く細流や、さらに川の下流域に生息し、泥底の淀みに多い。汚水や環境の変化にも強く、コ
ンクリート護岸の川や下水の流入する都市の川などでも見る事ができる。雑食性で、底生動物や
付着藻類などを食い、成魚は主にユスリカの幼虫をとっている。産卵期は東海地方では4月下旬
から7月中旬。自然条件下ではヨシなどの茎やこぶし大以上の石の表面などに産卵する。産卵は早
朝に行われ、それも曇りや小雨の日に多く集中する。♂は産卵行動が終わったあとも産着卵から
離れずこれを守り、別の♀を誘導してさらに産卵させる。1産卵期における産卵回数はきわめて多
く10回を数え、各産卵床の総卵数は1500粒を上回った。
[引用文献:山渓カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚]
写真は昼休みに撮影した。高速道路下の用水路横断暗渠水槽内をタモ網で探って、採捕した。
水槽の幅は100cm、水深は深い所で約80cm、これに接続した幅60cm高さ60cmの水路が20数
mあり、深さ30〜40cmの水溜りとなっている。水槽も水路もコンクリート造り。
水槽の上層〜中層をタモ網などですくうと、数尾まとめて採れることが多い。写真はアクリル
水槽の中に入れて撮影したもの。奥の黒い線の格子間隔は1cmの大きさである。