長潟の冬へ戻る

幹線用水路

    12月29日。
    幅2.0m深さ2.0m壁厚0.2mのコンクリート水路である。水路壁上部の黒い部分は水がほと
   んど流れない箇所で、水路の余裕高の部分である。その下の白色の部分が主に水が流れる箇所
   である。この黒い部分と白い部分の境目が水面の高さであるが、隣接する舗装道路路面高とほ
   ぼ同じ高さとなっている。この舗装道路から用水路を横断して左側田んぼへ入る橋は、用水路
   の水面の高さより低くなることから、橋が渡る箇所で用水路底はその上下流底よりも低くなっ
   ている。上流底が高くて、橋部分の底が低くて、下流底が高くなっている構造をサイホン構造
   という。通水時は橋の部分では上流側水面が橋にぶつかって、水面がなくなる。橋の下流側で
   は上流水面より低い高さの水面ができて、下流へ流れる。だから、橋の上流側ではゴミが流れ
   ずに渦を巻きながら滞留していることが多い。また、用水を流さない時は、サイホン部分に水
   溜りができて、魚類などの生き物の退避場所となっている。そして上下流にサイホンがある用
   水路区間は水が涸れにくいことから、写真のように浅水環境が形成され水草が繁茂している箇
   所が多い。ただし、この幹線用水路に一度転落したら、小動物は脱出不可能である。ハクセキ
   レイやサギなどの鳥に食われるか、ウシガエルに食われるか、どちらにしても過酷な逃亡生活
   がまっている。サイホン部分の水溜りでは、ウシガエル成体と幼体およびオタマジャクシ、ア
   マガエル、アマガエルオタマ、トウヨシノボリ、オイカワの稚魚、ニゴイなどを発見した。尚
   この幹線用水路は、写真奥が上流で、手前が下流である。また、道路を挟んだ反対側には小松
   掘排水路が手前から写真奥に向かって流れている。その隣は高速道路盛土の斜面林である。