ツチガエル
7月24日。
「いぼがえる」とも呼ばれるように、足や背中にはたくさんのいぼ状の突起が見られる。本種の
学名には“ヒダ”または“しわ”が多いという意味がある。本種以外にもいぼ状の皮膚をもつカ
エルは、ヌマガエルなど普通に見られるのだが、本種の皮膚はヌルヌルしていない。おっとりし
たカエルで、近寄ってもその場でじっと身を潜めて隠れているつもりになっていることが多い。
捕まえると皮膚から粘液をだし、これが臭い(イモリにも似た臭い)と、よく言われるが、悪臭
と呼ぶほどではない。体長30〜60mm。繁殖は5〜8月に行われる。産卵場所は、沼、湿原、渓流
脇のよどみ、都会の人工池など。数十個からなる卵塊を水草や水中に倒れこんでいる草や枝な
どにからめるように産み付ける。卵は全部で700〜2600個だが、1回の産卵で全部の卵を産む
のではなく、数回に分けて産卵する。多くの場合、オタマジャクシは、そのまま越冬し、翌年80
mmほどに成長し、変態して上陸する。親の大きさからすると、かなり大きなオタマジャクシ
である。 [引用文献:山渓ハンディ図鑑9 日本のカエル]
写真は午後1時過ぎ、鉢伏の渓流にいたツチガエル。かなり近づいても逃げない。じっとして隠
れているつもりだろうか。群れでいることはなく、単独行動が多いようだ。