山口百恵と映画ロッキー

最近、映画「ロッキー」の話がネットで飛び交っていたので、ちょっと思い出した事が在ったので、ロッキー
の事を書いてみたいとおもいました。
私がまだ中学校のとき、(1976年)この映画ロッキーが上映されました。正確には日本では1997年
だったと思います。ロッキーは映画最高峰のアカデミー作品賞でした。他2部門も受賞しています。
当時の私は洋画には全く興味が無く、ましてやロッキーなんて見たいとも思っていませんでした。
中学校のとき、映画鑑賞会と言う企画が年に一度あって全校生徒で希望をとって、見たい映画を見ると言う
行事があったのです。ここで、候補になったのは何の映画だったか記憶に無いのですが、当時、芸能界の
スーパーアイドル山口百恵主演の映画と、シルベスター・スタローン主演の「ロッキー」が候補に上がりました。
私は百恵ちゃんファンだったので、当然に百恵ちゃんの映画を希望しました。しかし、実際に全校生徒で
投票した結果は「ロッキー」だったのです。私はガッカリしました。
このロッキーはやくざな4回戦ボーイだった主人公ロッキー・バルボア(シルベスター・スタローン)が
対戦相手がいないことに困ってイタリアの白人ボクサーを奴隷開放記念のショーとして世界ヘビー級
王者アポロ・クリードに指名されて戦うと言うストーリーだった。惨めな人生、そして自分が人間のクズでは
無かったと言う事を証明するためにロッキーはアポロと戦う。
私は学校の体育館で、ふてくされてこのロッキーを見ていた。「やっぱり百恵ちゃんの映画が良かったよな」
そう言うと周りの女性とが「なによ今更」なんて私を白い目で見ていた。ロッキーは4回戦のボクサー、絶対に
世界王者アポロに勝てない立場ながら、無尽蔵のタフネスとスタミナで打たれても打たれてもロッキーは突進を
止めようとしない。試合前、ロッキーは恋人のエイドリアンにこう言った。「アポロと俺じゃ勝負にならない。
15ラウンド戦ってコングが鳴っても立っていたら、俺は単なる人間のクズじゃ無い事を証明できるんだ」
ロッキーは打たれても打たれても決して倒れなかった。14R、試合は見ないと言っていた恋人エイドリアンが
会場の隅に入ってくる。その時だった、アポロの強烈なパンチがロッキーの顔面に炸裂したのは・・。ついに
ロッキーは崩れるように倒れる。しかし、もがいて立ち上がろうとする。「俺は人間のクズじゃ無かった事を
証明するんだ」そう言ったロッキーの言葉を私は思い出しました。立ち上がって今度はロッキーがボディに
集中打。試合は15Rに縺れ込んでラウンド終盤、アバラを折ってしまったアポロにロッキーが乱打する。
もう、興奮のるつぼだ。ここで試合は終了。ロッキーは立っていた。試合を終えたロッキーは会場の片隅で
見ていたエイドリアンに叫ぶ「エイドリアーン」。エイドリアンもリングに近づく。昨日まで、世間の誰もに
見向きもされなかった2人が、いつのまにかヒーローとヒロインに変わっていた。私はこのシーンを見て泣いて
しまった。ああ・・これが感動だ。
映画が終わってみんなが感動の帰り支度をしたとき、私は意地を張って「何だ判定で負けちまったんだ。面白くな
かった。やっばし、百恵ちゃんの映画だな」って言いながら帰った。私は家に帰って手のひらを返したように
家族にこの感動を伝えたのだ。「いや〜ロッキーは良かったよ」
そう、私は2作目からすべて封ぎりと同時に、この作品の続編を見ている。しかし、やっぱり最初が良かった。
3までは良かったけど、後は付録。ボクシングは本物とは確かに違うけど、映画としては一級だと思う。

ああ・・百恵ちゃんの映画じゃ無くて良かった。これ見て正解でした。皆さん、映画は決して意地を張って
見るものでは有りません。素直に見ましょう。?オラだけ???
(1999.6.23更新)

このコーナーの感想をお聞かせください。拳キチ伝言板
 
   昔の手紙を読む

                   ホームに戻る