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道徳:キツネとお地ぞうさま(1)
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キツネとお地ぞうさま
村はずれのお地ぞうさまのところに、キツネとウサギがやってきました。
ウサギは次のようにいいました。
「わたしにはやい足をくださってありがとうございます。おかげさまでまい日元気にくらしています。」
お地ぞうさまはニコニコして聞いていました。
次にキツネがいいました。
「わたしにかしこいあたまをくださってありがとうございました。でもわたしは、ウサギさんのようにはやい足もほしいのです。どうか、はやい足もわたしにください。」
これを聞いていたお地ぞうさまは、
「ウサギさんにははやい足をあげ、キツネさんにはかしこいあたまをあげたのです。それなのにはやい足もほしいというのはよくばりです。」
といいました。
◇運動会前日の道徳です。
「キツネとお地蔵様のどちらに賛成ですか。」
と問うと、
「お地蔵様!」
3人とも同じ考えでした。
ここからが、この時間の中心です。私の考えに反対することができるか、です。
「明日は、運動会だね。優勝したいでしょ。 応援賞もほしいでしょ。(3人とも、ウンウンとうなずく。)
二つもほしいと思うのは欲張りじゃないでしょ。(これまた、うなずく。)
だったら、キツネだって、速い足と賢い頭の二つをほしがったって、欲張りじゃないんじゃないかな。
先生の考えに賛成の人は○、反対の人は×を書きなさい。」
さて、子ども達の反応は・・・、全員が「×」でした。
「賢い頭をくれたのに、速い足をほしいと言うのは、ずるいです。」
と言ったのは、T君です。
「T君が速い足を持っていて、明日の運動会・100M走で1位だったとする。次の綱引きでもまり入れでも勝とうとするのは、ずるいことですね。」
「う〜ん・・・。」
とT君が悩んでいると、お助けマンになって手を挙げたのがM君です。
「それは、自分で練習したりトレーニングしたりしてのことだから、いいんです。」
Mさんは、
「キツネが速い足を持っていても、いたずらに使うから、ダメです。」
という意見でした。私が、
「じゃあ、いたずらをしないようにすれば、二つのものをもらってもいいんだね。」
と言うと、Mさんも悩んでしまいました。すると、またまたお助けマンのM君登場。
今度は、Mさんを救ってくれたのでした。 つづく
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