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小林正樹(TOSS山形)
震災当日、多くの客がディズニーリゾートを訪れていた。「夢と感動」の世界で、アルバイトスタッフはどのように動いたのか。また、どのように組織として対応したのか。
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※スライドの8枚目までは省略。楽しく進める。
発問1 3月11日東日本大震災。当日の来園者は7万人。震度5強。この日も、夢と感動をプレゼントすることができたと思いますか。出来たと思う人は○、できなかったと思う人は×。理由も書いておきます。
発表。
発問2 地震の後の、あるディズニーランドのスタッフの姿です。何をしてると思いますか。
指名。
「この後、こんなことを言ってます。
・・・・・「頭を守ってしゃがんでください。」
「私たちがまず、パニックを起こさないことが大事だと思うので・・・、ゲストの安全を考えることが一番重要なので・・・」
自分の店から飛び出してきて、お客様に呼びかけたんですね。
他にも、こんな従業員がいました。
・・・・・「皆様、どうぞお座りになってお待ち下さい」と呼びかけるスタッフ。客を誘導するスタッフ。
これらスタッフの9割がアルバイトです。
この日、だいたい1万人のアルバイトスタッフで、7万人の来園者に対応したのです。
発問3 夢と感動をプレゼントするためには、まず、これがなければできません。どんな言葉が入りそうですか。
指名。
「そう、安全・安心ですね。」
「どんな仕事でも、相手に安全、安心を与えることは大事ですね。
みなさん、練習です。みなさんは、ディズニーリゾートのアルバイトです。」
発問4 大きな大きな地震直後。みなさんはディズニーランドのアルバイト。どうやって、安全・安心を届けますか。一つでも、二つでもいいです。書きましょう。
「だんだん寒くなってきました。どうやって寒さを防ぐか。
余震が続いています。どうやって危険から身を守ってもらうか。
お腹もすいてきます。ディズニーランドの中の物を使って、どうやって栄養をとってもらうか。
不安がっている子どももいます。どうやって、安心してもらうか。」などのヒントを与える。
書かせた後、交流させる。
発問5 こんな写真があります。何をしてると思いますか。
アルバイトの樋口さんの言葉です。
・・・・・「ダッフィを持って、お客様に渡しました。お客様はみなさん、このようにして頭の上にのせて身を守っていました。」
※写真を見せる。
発問6 青いゴミ袋に入ってる人々の写真です。なぜ、ゴミ袋なんかに入ってるんですか。
指名。
「ゴミ袋に入っていた人の話です。」
・・・・・「かなりでかいサイズのゴミ袋をみんなに配っていました。寒さを防ぐことができました。ありがたかったです。」
「おみやげ袋をかぶる人たちもいました。息子に着せちゃったんですけど・・・と記念撮影する人もいました。これらは、スタッフが考えたマニュアルにない行動だったんだそうです。」
「使い捨ての手袋も配られました。ピース、ここでも記念撮影。」
「段ボールも配られました。」
「お店で販売していたお菓子も、アメも、無料で配られました。お店の中は、からっぽ。」
アルバイトの岡村さんの話。
・・・・・「エコノミークラス症候群になっちゃうといけないから、こうやって、とお客様に運動していただきました。」
アルバイトの川崎さんの話。
・・・・・「皆さん、大丈夫です。僕はシャンデリアの妖精ですから、シャンデリアの下で言って、安心してもらいました。」
アルバイトの真柄さんの話。
・・・・・「皆さん、おみやが袋はお持ちですか。ここに“隠れミッキー”がいるってのは、ご存知ですかと言って、少しでも気持ちを楽にしてもらうようにしました。」
発問7 こういったことは、地震対策本部が指示したことではないですね。ディズニーランド責任者の指示でもない。エリア責任者の指示だと思う人?アトラクション責任者の指示だと思う人?スタッフ一人ひとりが考えたことだと思う人?
※テンポ良く挙手を求めていく。
最後、「その通りです。」と言って、次に進む。
ここまでで授業を終える方法もある。(その場合、データを加工してお使いください。)
「マニュアルにない対応でも、とっさの対応をすることが大事だ」という内容になる。
そのことを多くのアルバイトスタッフが実際に行ったということに、感動を覚える。
帰宅困難者が2万人もいたそうです。だんだん暗くなり、寒くなり、不安感が広がっていきます。
こうなると、スタッフだけの力ではどうしようもありません。本部、各責任者、みんなの力で乗り越えていったそうです。
午後6時。来園者を園内に誘導開始。
アトラクションの通路、シアターの座席、レストランの床も開放されました。それでもなお、外でブルーシートにくるまって寒さをしのがなけらばならない人が出ました。
安全確認が早く終わったディズニーシーへ、お客様を誘導することになりました。
ところが、ここからここまで、かなり遠い。外は真っ暗。液状化で通路を歩くのは、危険。
そこで、東京ディズニーランドで初めてのことが行われました。
ヒントは、この扉です。
発問8 どうやって、ディズニーランドからディズニーシーへ、お客様を誘導したのでしょうか。
正解は、「従業員用の通路を通って」。
地震対策本部の坂本さんの話。
・・・・・「お客様を、この扉を通じて、ディズニーシーへご案内したということです。
夢の王国を支えるバックが見えてしまいますので、
本来は、お客様には一切お見しない場所になります。」
「1500人を安全に誘導したそうです。」
「そこで待っていたのは、あったかいひじきご飯でした。
ディズニーランドでは、約5万人が3〜4日過ごせるだけの食糧が備蓄してあるそうです。」
ご飯を食べた人のお話です。
・・・・・「まさか、こういうものをいただけるとは思わなかったので、とってもうれしかったです。」
こうして、地震の日の夜、ディズニーランドでの一夜が過ぎていきました。
夜が明けると、とてもいい天気だったそうです。
スタッフに見送られ、お客様が帰っていきます。
記念撮影している方もいました。
発問9 3月11日東日本大震災。この日も、夢と感動をプレゼントすることができたと思いますか。出来たと思う人は○、できなかったと思う人は×。理由も書きます。
発表。
ディズニーランドで一晩を過ごした原口さんの言葉です。
・・・・・「考えてみれば、従業員も我々と同じ、被害者なんですよね。
それが、全然嫌な顔をしてないっていうか、ずっと笑顔なんですよね。」
同じく、一晩を過ごした桑原さんの言葉です。
・・・・・「スタッフのみなさんが、すごい頑張っていたから、何かすごい、信頼できました。
ありがとうって、伝えたかったです。」
ディズニーランドは、この後1ヶ月あまり、休園しました。
4月15日、再開。多くのファンが集まったそうです。
「夢と感動をプレゼントする」ために、スタッフのみなさんも、また笑顔で頑張ってることでしょう。
授業の感想を書きなさい。
《参 考》 フジテレビの番組 Mr.サンデーより