「討論のある授業」の実際


 道徳;そうじは誰がするべきか?
 
◇掃除が終わると、5校時。道徳の時間です。
「今日の掃除を、一所懸命やった人?」
たくさんの人が手を挙げました。一安心。
「今日の掃除を、一所懸命じゃないけど、や った人?」
何人かが手を挙げました。正直でたいへんいいんです。ただし、ちょっとだけお説教が入ります。





 

アメリカ・フランス・カナダ・ブラジル
オーストラリア・スイス・インド・中国
  この中で、小、中学生が掃除をしなくてもいい国に丸をつけましょう。

 
 正解は、なんと最初の6カ国になります。これらの国では、「お掃除屋さん」つまり、「清掃員」が学校の掃除をしているのです。世界には、そんな国がもっとあります。

【世界の学校掃除地図】を提示

『心の教育 日本教育の再発見』沖原 豊 著 〈学陽書房〉14ページより
◇ここから、デベートです。

三泉小学校の児童は、そうじをしなくても良い。賛成か、反対か。
 
【反対;4・5・6班】
  @きたなくなる。ゴミで埋もれる。
  A何年かたつとよごれる。
  Bきれいにすると気持ちいい。
  C大人になると必要になる。
  D日本には、そういう学校は少ない。
  E病気になる。
  Fそうじの人が勉強のじゃまになる。
  Gそうじも勉強の一部だ。
  H三泉小学校だけがよごれる。
【賛成;1・2・3班】
  @もともときれいだし、時々やればいい。
  A勉強や遊びの時間が増える。
  Bやとえばいい。
  C放課後や休み時間も多くなる。
  D世界の国々にはやとってる国が多い。
  E楽・楽ちん・楽しい
  F父親たちがやればいい。
  Gそうじ用具にお金がかかる。
 
◇お互いに意見を言った後、質問、それに答える、という時間もとりました。
 授業の感想を書かせて、終わりました。

☆私は、そうじはきちんとしていたつもりだった。でも、この勉強をして、最後の方で出た意見で、『自分に甘いとダメだ』という言葉を聞いたら、そうじをもっときちんとしようと思った。そうじで甘くしないようにするには、時間ギリギリぐらいまでやって、みんなをうまくまとめることができたら、自分に甘くないそうじが出来ると思う。(Rさん)

☆前に、M君にそうじの仕方で、怒られました。その日からぼくは、自分のそうじの仕方がチョコレートより甘いと感じました。もしM君から、怒られなかったら、将来、チョコレートより甘い人間になっていただろう。やはりそうじは大事だ。(Kさん))
 

※本実践は、『子どもが本気になる道徳授業』第4集 深澤 久 編著
  羽鳥 悟 氏の実践を参考にさせていただきました。