きみがちかくにいる。

それをぼくはしっている。
けどぼくはきみのそばにはたどりつけない。
だれかがじゃましてる。

ねぇ、そこどいてよ。

きみのそばにいきたいの。
てをのばせばとどくそのきょり。
きみにはぼくがみえないの?

なまえ。

そう、ぼくはきみのなまえをしってるよ。
いつもあこがれてるんだ。
おねがい。
ぼくのなまえをよんで。
そうすればぼくはきみのそばにいけるから。
でもしらないんだ。
きみはぼくがここにいることも。
ぼくのなまえも。
ねぇ、じゃましないでよ。

そうだ。
きみだけに、とくべつ。
ぼくのなまえをおしえてあげる。

だから、よんで?

俺さまから、お前の傍に行くことなんて有り得ないことだから。
名前さえ呼んでくれたら俺さまはきっと。
でもお前にゃ俺なんか見る価値もねぇよな。

だからずっとこのまんま。

ぼくはここからうごけない。
だれかがじゃましてるから。
でも、よくみたら。

ぼくがぼくのじゃましてるんだ。


笑顔の、俺さまが。


END






959「ほら、笑う」
ノーコメントで(汗

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