見捨てられたらどうしようって思う。でも、











特に目立つものもなく、整えられた部屋に独り。
そんなことには、慣れていた。
だって、7年間軟禁されていたのだから。

でも俺は、それがなんでもないと思うには変わり過ぎた日々に取り残されていた。
体はベッドに沈んでいて、自分の意思では動かせない。
こんなときになってからようやくこの長い髪が鬱陶しく感じられる。
見えているのは確かに部屋だった。
だが、脳に直接届いてくるような光景は俺が見ているものじゃない。
(・・・俺、皆に嫌われたよな。)
言葉を発することも出来ないから考えるだけだけど。
今そんなことを思えば、アッシュの奴にも聞こえてるかもしれない。
でも気にしない。考えずにはいられないから。
(変、だよな。今まで散々鬱陶しい奴らだと思ってたのによ。)

俺は、馬鹿なんだ。
馬鹿だから、皆に見捨てられる。
こんなことにならなきゃ気づけないくらい、愚かだ。

アクゼリュスでいろんなことが有り過ぎて、頭ん中がぐちゃぐちゃで。
自分のせいだなんて認めたら、きっと俺は罪人としか見られなくなるんだろう、って思って。
気づいたら焦って叫ぶように言い訳してた。自分の罪から逃れるために。
でも、結果は逆だった。
情けなく言い訳すればするほど、皆悲しそうな表情になって。自分の罪が深くなったって気づいたときには遅かった。
謝って済むわけない。
けど、もしそれを言えていたなら、こんなに惨めになるなんてことはなかったかもしれない。

―――――今更。・・・今更だ。

そう思った瞬間、近く遠く見えた景色が白くなって掻き消えた。
どうやらアッシュが意識を切り離したらしい。同時に体も動くようになった。

「・・・俺、どうすればいい?わかんねぇ。・・・全然、わかんねぇよ・・・っ。」

泣きたい、って初めて思った気がする。
でも、どうしようもなさ過ぎて、涙なんて浮かびもしない。
いつも、傍に誰か居るってことが幸せだってことに、やっと気づいた。
そして、ずっと傍にいてくれたあいつの信頼を裏切っちまったんだってことにも。

それなのにあいつは、まだ。

アッシュを通して聞いた言葉。
本当かどうかなんてあいつにしかわかんないし、疑う資格もないけれど。
それでも俺は嬉しくて。
どうしようも無いなら、今はせめて、あいつの所に行かなきゃいけない。




自分自身の想いだけで、そう決めた。







END







「想いを選ぶ者の決断」
私には髪長い頃のルークの思考がわからないですOTL
だから多分この辺が限界。これ以上遡れない(汗


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