鉱山関係者の守り本尊「八聖山金山神社」を訪ねる


  山で暮らす鉱山で働く人びとは人一倍信仰を大切にしました。
  強大な自然の力と一対一で立ち向かわねばならない立場の人間にとって信仰しかすがるものは
ありませんでした。
  従ってどの鉱山にも必ず守り本尊とする神社があったのです。
  しかもその神社は、町場の神社とは異なり、たいていは山奥の中にあるのが普通です。
 維持管理は相当に大変な事だったでしょう。 
  さて、山形県西川町の間沢近辺は鉱山だらけでした。沢があればその奥には必ずといっていいほど
 鉱山がありました。
 別項でも述べているように、本当に昭和30年代までは山は活気があったのです。
 現在の観点からは絶対に理解できないでしょう。現実に私が若い人にこのことを語ると誰も信じては
くれないのです。
 さて、この間沢地区は多くの鉱山がありましたから当然に信仰の中心となる神社がありました。
 その名を「八聖山金山神社」と称します。現在この神社がどうなっているかを確かめたく平成17年10月
27日に訪ねることといたしました。
 場所は山形市から西の方に112号線を進み、西川町間沢を越えて月山に向かい、水沢の部落を過ぎて
 最初のトンネルの入り口の直前で右折れして山道に入り進みます。
 

 この右手がすぐにトンネルとなります。従って出入りの時は十分に気を付けて進む必要があります。

 ここを進みますと左側に社務所のような建物が出てきます。


 ここは神社の管理やお参りの時の受付等がありました。相当にしっかりした建物です。
 また、荘厳な雰囲気も有しています。
 ここを右手にどんどん進むとついに大きな赤鳥居が出現してきました。いよいよここからは神域ですよ。


この光景を右側の谷を越えた地点から遠望してみましょう。


 鳥居をくぐり更に進みます。やがて森の域になります。
 道は分岐点となります。ここを右に進みます。

 ここからがメインの参道となります。

 周りには誰もいません。鳥の声だけが聞こえます。
 山姥も座っていました。

  ようやく本殿が姿を現しました。

 本殿です。まったくの無人の山奥にこのような立派な神社が突然ヌット出てくると異様な気持ちに
なります。


正面の部分を見上げてみると、造作も立派です。ここは積雪は相当の量なのですが建物はしっかりとし
破損や荒れ果てた部分は見あたりません。管理は相当に為されているという感がします。
従って信仰の厚さも大層厚いものであると予測されます。

ここから周辺を見てみましょう。周囲は鬱蒼とした様子で何となく神秘的な感じがします。
ここに私だけが存在しているのです。


 どうですか。以上が鉱山の神様「八聖山金山神社」の現在の様子です。
 ここで感じたことは、当神社への信仰は現在も相当に大きいということです。
 そうでなければ、こんな山奥の雪深い地域の建物が存在出来るわけがありません。
 やはり山の力は大きいということを感じます。
 どうか永遠にこの神社が続きますよう祈り帰路につきました。

 
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