米沢秘湯 五色温泉探訪の記  平成21年8月16日


 平成21年もついにお盆の16日となった。後4ヶ月で冬になるのだと思うと
本当に一年の経つのは早いと実感させられる。
 この日は大変暑い日となり30度を超えるとの予報であったので家に居ても
 暑さにうだるだけだと考え山に逃げようと考えた。
 以前に米沢秘湯を紹介した時に抜けていた五色温泉にしようと考えた。
 私にはこの五色温泉は特に思い出がある温泉である。
 大学3年の時の昭和38年に寮の連中と一緒に真冬の豪雪の時期にスキーに
 来たことがあった。
 汽車で米沢から板谷駅に降り、板谷駅で降りると線路を歩いて北に向かい(
 当時は冬の道が無いので線路を利用して歩くしか方法が無かった。
 のんびりした時代でした)トンネルを目指した。
 当時の昭和38年39年は豪雪の時期でとにかく雪が多い年で雪が舞い散り
 周囲の視界が無い白一色の世界を黙々と線路を歩いた。
 トンネルの手前で下方に降りていきしばらく歩きやがて急な上り坂となる。
 重い荷物とスキー(今のものより遙かに重いスキーだった)を担ぎ黙々と歩き
 へとへとになった頃に突然見えてきたのが五色温泉の宗川旅館であった。
 どうして是までしてこの温泉に来たのかというと旅館の前がスキー場になって
 おり今では当たり前のリフトがあったからである。
 旅館の前がすぐゲレンデでリフトが近くにあったためスキーをするのには
 便利なスキー場であった。このゲレンデは日本で最も早い時期に開かれた
 スキー場であり、そのような関係で皇族がスキーをしに来る場所としても
 有名であった。皇族の別荘が六華クラブとして宗川旅館の北側に建っていた。
 昭和50年代頃までは建っていたが現在は取り壊され更地になっている。
 私はその後も昭和の年代の時に何度か訪れていたがここ15年は訪れていない。
 現在の宗川旅館はどうなっているのかなと確かめたい気持ちもあり訪れたので
 ある。
 山形から米沢を過ぎて国道13号線を福島に向かって進み板谷峠の西栗子トンネル
 をくぐって間もなく板谷への道路標識を見て右に曲がる。
 板谷の集落を抜けて標識に従って進む。道は結構良い道で安心して進める。
 山を見ると五色温泉の宗川旅館がうっすらと見える。
 昔は我々は谷間からあの所まで真冬の豪雪の道をスキーを担いで歩いたのだと思うと
 若かったのだなあと改めて我ながらつくづく感心する。


 次の写真は進んできた道を振り返った様子である。


この道を15分ほど進むといよいよ宗川旅館が見えてきた。昔とだいぶ様子は変わっている。


もっと近づいてみてみよう。


全体を見てみよう

さてこの旅館の売りは露天風呂である。
町場の温泉と異なりここの露天風呂は本物の露天風呂である。
一度は是非入ってみるべきである。
次が露天風呂の全景である。少し粗末な感じがするが要は中身だ。体裁は無関係。


上も左右も緑の中である。本当に気持ちがよい温泉である。
温泉は掛け流しである。アブがよってくるが周囲は網ネットで囲まれているので安心です。
でもそれでもやはりアブは入ってくる。

では館内を見てみよう。玄関の所を見たところである。

館内は増築と改築が重なり大変複雑な構造になっている。館内を一巡するだけでも楽しい
よ。


資料にも述べていたが当旅館の前はスキー場で皇族を始め多くの人がこの温泉を
訪れたと述べたがそれはこの写真にあるように明治44年にこのスキー場で一本ストックの
スキー法の講習会が行われた由緒あるスキー場だったからである。


さて以上駆け足で五色温泉宗川旅館を紹介したがここは是非多くの方に訪れていただき
緑の樹海の中での温泉を楽しんでいただけたらと思う。
ここを経由して滑川温泉、姥湯温泉、峠駅の力餅と巡るのは大変楽しい旅になること必定で
ある。

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