本物の店 「割烹 池之家」紹介  平成21年6月


 山形県新庄市の北、秋田県に近い所に鮭川村がある。
 歴史は古く風光明媚な土地である。名前のとおりに鮭が捕れる川、鮭川が部落を
流れている。
 ただ雪は多く、昔は冬季間はほとんど人の移動は無く、ただひたすら春の訪れを
待っていた。
 しかし山形県に於いて最も昔の農村風景を残している土地となっている。
 本当にこの地を訪れると心が和やかに梳きほぐれていく感じを味わえる。
 このような土地であるから昔からの地場料理は豊富である。
 特に鮭と山菜をメインにした料理は本当に美味しい。
 必然的に美味しい料理を食べさせてくれる料理屋が存在する。いや存在した。
 本レポートはこの割烹 池之家の現在について語るものである。
 まず地理的関係を次に示す。

では割烹池之家の現在の姿を見てみよう。

玄関はもっと奥になる。

 玄関をくぐると広い空間の間になる。左側が一般の客間、右側が蔵座敷となっている。
 6月になっても大きなストーブが用意されていた。雨の日にはすごく寒くなる時があるから
とのことであった。ここ最上地方は昔は冷害の多い土地だったことを思い出させられる。

次は客間である。ここが一般の食事の間になっている。

次もこの部屋の続きの間である。この他にも部屋がある。

さて肝心の蔵座敷を見てみよう。蔵への入り口である。


入り口は厚い扉であるが非常に綺麗な造りである。


蔵座敷の中を見てみる。中は二間になっておりふすまには雄大な肉筆画が描かれている。


さて肝心の料理であるが今はメインがそば料理であり、予約で蕎麦会席料理を出してくれる。
写真の下の方の料理は鮎蕎麦であるが実は鮎には頭が付いていたのですが思わず食べて
しまったため頭の無い鮎の写真となってしまった。
味は薄味の奥行きのある味であった。生くささは少しもなく鮎の芳しい香りと蕎麦の味が
絡み合いとても美味しかった。

 さて、ここからが私の言いたいことである。
 この池之家は平成バブルの頃までは順調に経営されていた。主が村長ということもあり村の
迎賓館的役割で立派に村の役に立っていた。
 しかしバブル後は接待等が無くなり人口の少ないこの村では割烹料亭としては経営が成り立
たなくなった。
 そこで3年程前から蕎麦料理を中心とした料亭の施設を利用した料亭の味を大切にする店に
切り替えた。
 現在はファンも増えてきてほぼ軌道に載ってきたようである。
 私は新庄の友達からいつも割烹料亭池之家で接待すると空手形を切られっぱなしのままで
実現を楽しみにしていたがさっぱり実現しないうちに割烹としての池之家は無くなってしまった。
 一度はこの料亭で旨い酒を楽しみたいなあと思っていたので私には残念な気持ちの残った
店であった。
 なんとかもう一度地域を代表するすばらしい店になって欲しいと願っている。

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