縄文のビーナスが国宝に
平成4年に高速道路工事建設のための発掘調査中に発見された縄文
時代の土偶は素晴らしい曲線美を持ち多くの人を驚嘆させました。
ヨーロッパや中国でも展示されどこでもセンセーションを引き起こしまし
た。
これまでは国の重要文化財としての位置づけでした。
長らく発掘された山形県舟形町にはいらっしゃらなかったのですが
平成24年4月20日に国宝としての指定答申がされたことを契機によう
やく6月8日から6月10日までの3日間だけ舟形町に里帰りをすることに
なりました。
私もさっそく行ってきました。発掘された頃に見に行っただけでしたので
本当に久しぶりの再会でした。まったく昔の恋人に会うような気持ちでし
た。
再会してみて本当に素晴らしい美人だったのだなと改めて感服しました。
この何とも言えない曲線美とその線の構成は現代美術品でもかないま
せん。
さて肝心の展示場は舟形町の中央公民館です。
看板を見てみましょう。ちゃんと里帰り展と書いてありますね。
ただ肝心のビーナスは写真撮影厳禁なので皆さんにはお見せ出来ないのですが
部屋の外側から撮影したものがありますので紹介します。
部屋の中央のガラスケースの中に見えるのが縄文のピーナスです。
背の高さは45センチありますから大きいです。日本では最大とのこと。
ビーナスの実測図ありましたので次に示します。
別室の展示場には多くの考古学上の資料があるのですが大勢の子供たちが来ており
とても興味深そうに質問なんかをしていました。心強いものがありました。
会場の片隅に地元の人が制作したビーナスのレプリカがありましたが
正直言って縄文人の勝ちでした。脚線の表現は縄文人にかないません。
町内の橋の欄干にはビーナスの像が飾ってあります。
全てがビーナス一色でした。
さてこの三日間の展示後の居住地ですが山形県立博物館になるとのこと。
ただあの古い建物では地震で大丈夫なのかと心配になります。
山形県に来たときはぜひ縄文のビーナスに会っていって下さい。
気になる話
今回の展示中いろいろの方たちが集まり語り合っていました。
その中で実際に発掘に参加した人たちが語っていたことが気になりました。
それは土偶が地中で見つかったときはもっと鮮やかな色をしていたのだそう
です。
今のビーナスはあまり色は着いていません。ほとんど無彩色に近いものです。
この話を聞いていて感じたことは「修復したのなら色も出土した時の色に戻し
て欲しい」ということです。
発掘した人たちも高齢者が多そうな様子でしたから早期にその方たちから聞
き取りをしていただき色鮮やかな美人に変身して欲しいです。
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