念願のカジカが遡るカジカ滝へ 令和5年7月4日
山形県の小国町の近くの深山の渓谷にカジカが遡上するカジカ滝という
名瀑があると聞いていた。
しかし聞くと四輪駆動車でないと行けないとのことなので探訪するのをため
らっていた。
ところが幸運にも近所の仲間がジムニーの四駆を購入した。
それではとばかりにさっそくこのカジカ滝探訪に出かけることにした。
経路は山形市から小国町方面に113号線を辿りトンネルの続く箱口地区から
南に位置する横川ダムを目指して113号線から分かれる。
途中叶水という集落までは右手の下が横川ダムになるのだがこの時は渇水
状態になっていて、ダム建設のためにダムの底になり今は見れない昔の集落跡が
見れる状態になっていた。
そしてそこには昔の橋が表出しているのだとの情報があったので訪れることにした。
県道からダムの底へ向かう道をたどるとやがて前方にその沈下喬が見えてきた。
予想していたよりも立派な橋であった。沈下橋と聞いていたので四国の四万十川の例の
ような素朴な橋を予想していたのでとまどった。逆に考えればこの地がダムの底になったのは
そんなに昔の事ではないのだということだろう。
近くには当時の寺の脇にあった大イチョウの木が移植されていね
場所があり見事な姿を見せていた。以前秋に通りかかったときは県道から
まっ黄色に輝くこのイチョウの樹を見たことを思い出した。
さてここからが大変でした。
叶水の集落を抜けて西に転じてひたすら横川にそって道を遡る。
しかし、分岐点が何か所もあり土地の人に聞いた道が途中で
無くなり、戻ったりまったりの繰り返しとなった。
後で考えるとそんなに複雑ではなかったのだが混沌の渦の中に入って
しまうと人は混乱するものだと思い知らされた。
横川はどんどん細くなり砂利道でガードレールも無しで下を見ると清流が
渦を巻いている渓谷となり緊張を強いられた。
当然すれ違う幅が無いのだから向こうからの車が来ないことを確認しながらの
運転となった。
このような努力の末にようやく「カジカ滝」という寂れた木の看板が出てきた時は
ホッとした。
さっそくブナの樹々の下を歩き渓谷へ降りる道を辿った。
やがて木々の合間に目的の滝が見えてきた。
暑い夏の真っ盛りのこの天気の下、清流がほとばしるここ一帯は
空気が全く爽やかで軽くてマイナスイオンが充満している感がした。
次の写真の川の奥の源流のあたりは飯豊山である。
上の写真の光景を見ると以前にはカジカが争って滝を跳ね上がって登っていった
との言葉が理解できる気がした。
さてこのようにしてようやくカジカ滝と面会できたわけだがこの滝を簡単に
見られるようになったのは最近であるとのこと。地域の方に話を聞くと
実はこの滝の周辺の地が加工食品用ワラビの集積地になり多くの作業人が
出入りするようになった。その関係で道路がすこしずつ改良されたので
一般の人も入れるようになったとのこと。
このような事情で私もようやくカジカ滝に出会うことが出来たのだなと納得した。
それにしてもここから下流の渓谷も本当にきれいで奇岩怪石で満ちているのだ。
渓谷は洞門のようになっていてその下を清流が渦巻いているところもある。
残念ながら道が無いので遠くから眺めるだけになっている。
おそらく大資本がからめば立派な観光地になるのだろうがそうなって欲しく
ないという気持ちもある。
とにかくここ飯豊山の一帯の地域には人が容易には入れない地があるの
だということを認識させられ満足した気持ちで家路についた。
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