料亭 香梅咲(かめざき) 平成21年4月11日

                            酒田市日吉町1−3−16


 アカデミー賞受賞作品「おくりびと」で重要な雰囲気づくりを担ったのは
老舗割烹料亭の「小幡」の建物であった。古色蒼然たる外観だがその
たたずまいは独特で山形市に住んでいる私はいつもその前を歩く度に
中はどうなっているのだろうかと中を覗きたくなるのが常であった。
 この小幡のある近隣は実は酒田市の花柳界の本拠地なのである。
 昔は多くの料亭、小料理屋が建ち並ぶ最も華やかな場所であった。
 しかし平成のバブル崩壊後は急速にその勢いを失い、地域全体が
衰退の気配を漂わせる状態になっている。
 現在この地域で健在なのは「相馬楼」と「香梅咲」くらいである。
 相馬楼は新しい形態で再起が進んでいるがどちらかというと観光施設と
しての色合いが濃く、従来の割烹料亭という観点からは寂しさを感じる
ところがある。
 一方「香梅咲」は相馬楼のすぐ隣であるがこちらは温和しく昔の香りを
留めている。
 今回はおくりびとのロケ地探訪を兼ねて香梅咲を訪れてみた。
 ただ山形市から日帰り旅行なので昼間の訪問となった。
 以下料亭の内部等を紹介していきたいと思う。

 まず玄関のたたずまいを見てみよう。屋号の由来である梅が満開であった。

次は当料亭の一番の売りである太鼓橋廊下である。
この廊下が建物の中心を貫き、ピカピカに磨かれ大きな存在となり俺が主役だと
叫んでいるようである。



 この廊下を外側からも見てみよう。


次は室を見てみよう。大広間は月並みなので小部屋を見てみよう。
窓の細工が見事である。



 この窓の作りを見ているだけで酒が進みそうである。


 建物の構造は複雑で、中二階のような作りや隠し部屋のような作りの
構成が多く建造物として見るだけでも楽しい。



 では次に当日の料理の一部を並べてみよう。

 とにかく色が鮮やかで目が覚める。



最後に出たデザートも美味しいものであった。

とにかくお昼にこれだけのものを食べたので満腹状態であった。
このお値段であるが驚くほど安かった。普通驚くほど高いのが
料亭価格であるが今は違う。ぜひ気楽に食べに来れば良いと
思う。
さて次の写真は相馬楼と香梅咲が二軒並んでいる様子である。
以前はこの二軒で競い合ったわけだが今は全て夢の世界である。


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