廃校 木ノ根坂分校を訪ねる 平成21年11月4日


 平成21年11月3日朝は山形市に初雪が降った。晴れの特異日として知られている
 その日に初雪である。何かがおかしい自然になっている。
 次の11月4日は寒いが綺麗に晴れた日となった。もう山間の林道を車で走れるのも
 終わりだなと思うと逆に突然山間地に行きたくなった。
 山形市から北に70キロある鮭川村の山中に廃校を再利用して蕎麦やとして
 再出発して村おこしをした地域を突然思い出した。
 前日までの状況では恐らくその地は道路に積雪があったはずである。
 朝10時に出発した。当地に着く頃は道路に雪は無くなっているだろうと希望的に判断
 した。
 学校の名は山形県鮭川村立曲川小学校木の根坂分校という。
 曲川の名前で気づく人がいると思うがあのトトロの木のある地域である。
 もっともトトロの木からは8キロ位は離れていはいるが。
 一口に言うと大変な交通不便の地であり本当に何もない自然だけの地である。
 何しろこの地の西方の山々は今なお前人未踏に近いの地が多くあり幻の滝の発見が
 時折発表されている地域である。
 道程は山形市→新庄市→鮭川村→庭月観音と辿りトトロの木の部落を素通りして
 木の根坂に向かう行程である。この辺は初めての人にとっては迷路である。
 恐らく初めての人は帰れなくなるかもしれない。
 道は縦横無尽に入り組み繋がっている逆に言えばどこからでも互いに交流が出来る。
 しかし地域以外の人にとっては複雑な迷路となる。
 かくいう私もこの辺を走れるようになるまでは何回も迷った。
 さてでは道路標識が出てきた所から話を進めよう。

 ここまでの道が迷路になっている。ここから更に5キロの山道となる。
 下の写真の道をひたすら上っていく。

だんだん次の写真のような道になる。本当にこの先に学校があるのだろうかという
疑念も湧いてくる。

やがて家が見えてきた。どうやらここらしいと安心する。
 

やっと学校に着いた。結構立派なしっかりした校舎である。


玄関部が蕎麦屋のたたずまいになっている。
ただ残念ながら今日は定休日となっており中に入れなかったので玄関から中を覗いて
みるだけとなった。

玄関から中を覗いた光景である。全てピカピカと磨かれていて気持ちの良い雰囲気で
あった。


玄関部をもう一度見てみよう。本当の山の学校という感じでほのぼのとした気持ちに
なってくる。
しかし、当地は県内でも有数の豪雪地である。真冬はこの学校に来るだけでも相当に
大変だったはずである。何しろ家は相当の広範囲にぽつぽつと点在しているのだから。
ここで育まれた子供達と先生方は本当に偉かったと思う。



まだ学校の看板が大切に保存されている。


このような廃校となった分校は山形県内にはまだ数多く存在している。
村の人の努力で本校のように村の拠点として生まれ変わった学校もあるが多くは
そのまま放置か解体の運命である。
日本は昔はどんな山間の地にも立派な学校が存在し、地域の担い手として育っていく
下地が合ったわけであるが今や山間地集落は崩壊の危機に直面しているのが大部分で
ある。 農業の担い手は確実に減少している。
今や人間は都会でのみ生きていける生き物になったのであろう。
今回は突然の思いつきでの訪問だったので中に入れなかったが来年雪が融けたなら
必ず来るぞと言い聞かせ学校を後にした。

最後に地図を掲示しておきますがなかなか分かりやすい地図は無いのでこのような
地図で我慢してください。後は探索する楽しみとして下さい。


 戻る