修験の山 熊野長峰に登る
 平成
25年8月18日
 今日も暑い日となる。 前日は35.4℃であった。つらい毎日だ。
 今日も家に居てクーラーのお世話になっていては体が持たない。
 このような時は山に登るに限るというのが私の生き方。
 でも重装備で高山に登るとなると準備でくたびれる。
 やはり登ろうと思ったら直ぐに登れる里山が最適だ。
 今回どの里山に登ろうかと考えたらすぐに思いついたのが鶴岡市の南東部にある
 熊野長峰である。
 ここには山頂に湿地帯がありいろいろの植物が生い茂っていると聞いており前から
 一度は登ろうと考えていた。
 以前鶴岡に出張などがあるといつも登る機会を探っていたがなかなか登り口が分か
 らず、それに時間を取れなかった。
 今はリタイアの身なのでこれらをクリア出来るので思い立ったら吉日とばかりに車で
 突発的に山形市を出発した。
 私の登り口を見つける方法はまったくあてずっぽうで地図を眺めて第六感で行動する。
 道を探すのが楽しみだから人に道を聞くことはしない。
 今回はこれが仇をして私の判断では湯田川温泉からあつみ温泉へ抜ける7号線の裏
 街道になっている国道345号線から入るつもりでウロウロしたが見つからなかった。
 以前確かこちらから入れると聞いたことが頭に有ったのだ。
 もう一度地図を見て180度違う日本海の水沢の方からの道を探すことにした。
 これは正解だった。道標が見えたのだ。
 これをきっかけに山すそを目指して進みようやくきちんとした案内板にであった。


 ここ大谷(おおたに)の部落には立派な公民館がある。ここを目指して行けば良い。
 昔はきっと学校だったのだろう。趣のある建物である。


 ここに熊野長峰の由来が描かれた看板がある。

 
 熊野長峰は標高430mと決して高くはなく典型的な里山である。
 ただ山は長大な丘陵状になっており頂上までは長い距離をただひたすら歩かなければならず
 昔は頂上までは結構長い時間かけて登ったと聞いた。
 低い山なのに周囲が国有林を含む人手が入っていない原始林状態になっており直接頂上へ
 向かうことは出来ない。この位樹林に囲まれた山も今では珍しくなった。
 これは昔、修験道の修養の地であったことが大きな要因になっている。
 むやみに立ち入ることは許されない地であったそうである。
 現在は大谷林道が8合目近辺まで通じているので今回は当然林道を車で進むことにした。


 車の両側を木々にこすられながら30分ほど登ると広場に出る。
 ここが終点の大谷貯水池前の広場である。釣り人の車が何台か停まっていた。
 正面の標識あたりが登り口である。

 ここに車を置きここから徒歩で山頂を目指す。地図が掲示されていた。


 道は良く整備されておりとても登りやすい。気持ちの良い樹下の道を美味い空気を
 十分に吸い乍ら歩く。


 頂上付近は道がループ状になっており迷う心配はない。
 最初に湿地を訪れその後に山頂を目指すことにした。
 しばらく歩くと山頂と湿地帯との分岐点が出てくる。そこを湿地帯の方へ進むと間もなく
 きちんとした木道が現れる。

 次が湿地帯を横断するために設置されている木道です。
 木道の周囲は雑草で覆われている状態です。早く何とかしなければと感じる。

 
 湿地帯は周囲を高い木々で囲まれた盆地状の地帯であるが大分乾燥しており湿地としての
 状態は良くない。特に最近の晴天続きでも乾燥をしているのだろう。
 湿地には灌木が自生し始めておりどんどん水を吸い上げている。
 早く手だてをしないとこの湿地帯は乾燥し元の大地に戻ってしまうかもしれない。
 そんな心配をしながら分岐点に戻り今度は山頂を目指す。
 山頂には展望台が設けられており瀟洒な東屋があった。
 ここで数人が弁当や料理を開いて食事会をしていた。
 聞くと地元の人で夏の暑いときはちょくちょくここに来て涼をとるとのこと。
 まったくここは涼しく爽やかな空気でありここで食事をするのは最高の贅沢に思えた。


 あいにく今日は天気が良すぎて周囲がかすんでしまっていた。
 本来なら右手前方が日本海で雄大な眺めが見られるとのことだった。
 

 この東屋周辺には修験者が修業した地が多く残っていた。
 私も深く参詣し元の道をたどり駐車場を目指した。
 まもなく大谷貯水池が目に入ってきた。結構大きな貯水池である。


 貯水池からは山頂を見ることが出来る。
 山頂はなだらかな尾根筋にあり東西の尾根は相当に長い。
 

 以上が鶴岡市の霊峰熊野長嶺山に登った経緯である。
 感じたことはこんなに低い山なのに山は深く、水が豊富なことだった。
 登山の道は良く整備されていて安心できる山である。
 是非多くの人に登っていただきその良さをPRしてあげられることを願っている。
 
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