令和3年5月13日の山形新聞の記事
山形新聞に次のような記事が出ました。
元気に関係者一同頑張っているようで嬉しいです。
今年は何とか行きたいと思っています。



   山形県随一の秘境 三淵渓谷を訪ねる

                                   平成28年5月27日

 山形県は人の顔をしている。その顔の喉ぼとけにあたるあたりが長井市である。
 その長井市の西部は葉山がそびえている。この葉山を西側に越えると朝日山系の
 山々が連なり人跡まれな山岳地帯が続く地域になっている。
 ここに長大な長井ダムが建造されたことは本ホームページのダム編で詳しく報告
 している。
 実はこのダムに貯水された水によるダム湖が今まで行けなかったところへ我々を
 運んでくれる有難い役割を担ってくれることになったのです。
 三淵(みふち)渓谷は以前は信仰心厚い人々だけがひたすら参拝のために渓谷の奥にある
 伝説の地にたどり着くという一般の人が立ち入ることが出来ない場所でした。
 しかし長井ダムのお蔭で三淵渓谷がダムの湖水で満たされたので湖面から向か
 うことが出来るようになったのです。

 渓谷は高さ50メートルの断崖が200メートルも連なり、狭いところは幅が3〜5メートルし
 かないため昼なお暗い不気味な渓谷です。
 この場所にレスキュー用コ゜ムボートで訪れて参拝しようというイベントが(特)最上川リバ
 ーツーリズムネットワークという団体がこのツーリングを支えてくれているのでする。
 場所が場所だけに大勢の人間を乗せて運航は出来ない。
 6月の場合は一日4便の6日間だけの運航となっている。
 一隻のボートには5名が乗れるがボートは2艘なので参加できる人間は限られる。
 参加は全て予約制となっている。
 今年は5月21日から始まったが悪天候の時は実施できないし、秋も気温が下がれば
 運航終了となる。従って一年間で参加できる人の数は限られた人数である。

 まずボートの出発地を紹介する。
 正面に白く見えている所が乗り場です。


 ボート乗り場の光景です。
 スタッフは全員若く、キビキビしています。



 ダム湖では内燃エンジンによる動力は騒音や排出ガス規制により使用が禁止されている。
 そのために動力はバッテリーとなる。
 乗ってみると無音で静かに湖面を滑るように進んでいくのが快適であった。



 上の写真の赤い袋の下がバッテリー格納所である。

 
 出発してからはこのような湖面を音もなく進んでいく。

 

 湖面に写る景色は忠実に周囲の景色を写すので境目が分からなくなってしまう。
 

 だんだん両側の崖が迫ってくるようになってくる。
 昔の参拝ではこの下の谷底を歩いたわけだが見て分かる通り両側は急で登れない。
 昔は鉄砲水などが襲ってくると逃げ場所は無かったそうで命がけの参拝だったとのこと。




 いよいよ渓谷の狭い地域に入っていく。
 何とも不気味である。



 ますます渓谷は狭くなる。ボートの操行も慎重になっていく。



 両側の断崖は頭上に覆いかぶさってくる。
 大変な圧迫感である。
 無効に見える狭い割れ目を進んでいくのだ。



 空と水の境界が分からなくなってくる。


 最も狭い渓谷を抜けるとようやく無効にかすかな平地が見えてきた。
 今回はここまでの行程となった。
 ここより上の流れには流木が大量に積み重なっており今回は前進出来なかった。

 上流には木地山ダムがあります。
 ダムの放流の時など危険な地域になるはずです。



 私はこの渓谷を見ると映画インディジョーンズで有名になったヨルダンのペトラ遺跡を
 思い出します。
 映画ではインディジョーンズが馬でペトラの狭い渓谷を突っ走っていくのですが、今回の
 私の旅は馬ではなく、ボートで突っ込んだ形になります。
 この三淵(みふち)渓谷には千年前の卯の花姫伝説が語り継がれており本当に神秘的な
 場所です。
 しかし昔の人はこのような神秘的な秘境をよくぞ知っていたと感心します。
 とにかく徒歩で歩いて危険にあいながら川を上ったのでしょう。
 雨の降った後などこの渓谷には入れなかったはずでごく少ない機会をとらえて川を遡って
 歩きこの三淵渓谷を知ったのでしょう。
 先人に深く敬意を表したいと思います。

 皆さんも機会があれば訪れてみて下さい。

 次に資料を載せておきます。

 私が乗船した時のチケットです。


  全体の行程図です。
  野川まなび館から乗船場の合地沢までは分かりにくいので早めに行動
  することが必要です。枝道が沢山あるので迷ってしまうと乗り遅れてしまいます。




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