山形県朝日町旧五百川小学校三中(みなか)分校を訪ねる
 令和2年9月15日は大変良い天気であった。絵を描くための写真素材の撮影のために
 山形県朝日町の最上川流域に出かけた。

  山形県朝日町三中周辺の地図 ここをクリックしてご覧ください

 撮影後に近くに三中(みなか)の集落があり、そこに私にとっては少し不気味な感じの
 する小学校があったことを思い出し寄っていくことにした。
 私がここを知ったのは昭和58年頃であった。宮宿の町(朝日町の中心街)を訪れた時
 ふと上を見上げるとはるかな山の上に白壁に丸窓が付いた奇妙な建物が見えた。
 国枝史郎の小説に出てくるような何か異様な建物に感じられた。
 さっそく道を探して車で登ったが当時は砂利道の細い道で苦労してたどり着いた。
 その建物に近づくに連れて昔の時代小説の中に出てくるような山中の異界の世界の
 建物に感じられた。とにかく雰囲気が異様で丸窓がポッカリと開いているのが印象的
 であったことを覚えている。
 その後この学校が平成7年に閉校されることとなり、そのための記念事業の一つとし
 て建物内が公開された。
 私はさっそく出かけて建物の中を詳細に写真に撮った。しかし当時のカメラはフイル
 ムカメラであったため今となってそのフイルムを探したが膨大なフイルムの中から探し
 出すのは不可能であった。もったいないと思っている。探せばあるのだが。
 そのために今回は再び外観だけでも撮影しようと思いたって訪れてみたのだ。

 次の写真の丸窓がはるか下界の方を向いているのだから下から見ると本当に
 不気味な異様に見えたのだ。
 

 現在は写真のように周囲の木々が成長してしまったので下界の町からはこの光景は
 見えなくなっているのが残念だ。

 
 これが学校というのだから当時の人はビックリだっのだろうが現代の人の
 方がもっと驚くと思う。


 裏から見るとはっきりと3階立の建物であることが分かる。
 当時の子供たちはこの校舎から下の方に見える町の姿をどのような気持ちで
 見ていたのだろうか。


 上の写真は玄関の様子である。玄関まで丸く縁どられている。徹底している。
 この建物は地元の大工の3人の棟梁たちの全くの試行錯誤で作られたものなの
 だそうだ。当時の新しい様式の疑似洋館建ての建物にして子供たちに少しでも
 新しい世界の雰囲気を体験させたいとの意気込みで作られたのだそうだ。
 
  学校の南側は断崖になっている。
 ここから下の方に宮宿の町が一望出来る。


 当時の子供たちはここから下界を見ながら大きな夢を語り合ったのだと思う。
 平成25年に山形県文化指定建造物に指定されて大切に保存されている。
 山形県朝日町教育委員会教育文化課に電話で問い合わせると公開してくれる
 とのことだ。電話 0237-67-2118


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