映画「おくりびと」ロケ地探訪記上山温泉編

                                        平成21年2月28日取材
 
平成21年2月は山形県にとって大変な喜びが転がり込んできた。
 第81回米アカデミー賞外国語映画賞を映画「おくりびと」が受賞したのだ。
 しかもそのロケのほとんどがここ山形県内で撮影をされた。
 私たち山形県人にとって大きな喜びとなった。
 撮影は多くが日本海側の庄内地区で撮影されたが一カ所だけ内陸部で撮影された
 部分がある。
 それは主人公大悟の実家として設定された家である。
 私はロケ地が上山温泉のど真ん中にあるのでさっそく取材をしようと出かけた。
 ところが町の中に来てみてもお祝いのムードやロケ地への案内ポスター等が何もない。
 だだ今までと同じ町のたたずまいである。
 駅に行けば案内パンフレットはあるだろうと思い駅に行き待合室に入ったが何も無い。
 仕方なく片隅の観光案内所に行きロケ地はどこかと訪ねたらお粗末な手作りの地図に
 ロケ地の場所が書かれた紙をくれた(あくまでパンフレットではない。手作り作品だ)。
 私が観光案内所に聞きにいかなければ分からないでしまったと思う。
 でも観光案内所のおばちゃんが明るく親切に対応してくれたのが救いであった。
 JRや上山市の行政にあたっている人間なら素早くPR活動に入っているだろうという私の
 予測はまったく外れていた。
 私が駅長や市長ならすぐに全職員に号令を出し市発展のために乗り出すのだが
 市役所全体が関心が無いのだろう。
 でも私はその観光案内所のおばちゃんにお礼を言ってさっそく市内へと歩み出した。

 次は新しい上山駅の光景である。


 
駅を背にして進み二つめの信号機で右折れをする。すぐに左側に八幡神社と
 呼ばれる神社が出てくるがロケ地は道路を挟んだその向かい側である。
 次がそのロケ地である。


 次に玄関側から見てみよう。次の写真がそれであるが映画では正面の三角の部分に
「和」という文字がイラストされていた。


 構造は非常に特異な形状であった。鋭角三角形の形態であった。
 次の写真は川側から撮ったもので右側が玄関側である。そこに花壇があり広末涼子が
 花に水をやるシーンが強く目に浮かぶ。


 川の向かい側からの写真も紹介しよう。丁度川で遊んでいた鴨が一斉に羽ばたいた
所である。

 
 次は丁度現場に設置されている撮影時のシーンを張ったポスターである。
 桜が咲いていたようでやはり花が綺麗なシーンを撮りたかったのだろうと思った。
 屋根の上まで人が登り撮影の準備をしている様子が分かる。


 次もロケ地に設置されている看板で私の目に触れたものはこの二枚だけであった。


 ついでに述べるとこの家の側を流れる川は前川で後ろの朱色の橋は矢来橋である。
 以上がロケ地紹介の第一編で今後庄内側のロケ地の紹介を続けていきたいと思う。

 それにしても観光客の受け入れ体勢はゼロに近く寂しい限りである。
 私は車を置くところが見つからず遠くのスーパーに置いてから現場に向かったが後で
 分かったのだが写真の駅の跨線橋ブリッジを渡り線路の反対側の駅の北側の部分に
 狭いスペースがあるのが分かったが普通では絶対に見つからない部分である。
 せめて案内板くらいは欲しい。
 私の時も仙台ナンバーの乗用車で来ていたグループがいたが結局駐車場が見つからな
 かったのだろうが一人が車に残り駐車違反にならないように気を配りながら見学していた
 がおそらく不満を感じていたと思う。
 駅の周辺やロケ地の周辺は全て月極駐車場ばかりで無断で置くと一万円徴収する等の
 せっかく楽しみに来たという気分を壊してしまう文言ばかり並んでいる。
 他県にある観光客への温かな対応は全く見られないということに気づき同じ山形県民と
 して恥ずかしい気持ちを感じながら帰りました。

 [後日談] あまりに関心が薄いのでいろいろ聞くと映画を見ていないという人が多かった。
        上山には映画館が無いという。それでは無理もない。やはり映画を見なければ
        関心は高まらないのは当然と思う。
        でも行政関係者は見なければならないと思うし見たら何らかのアクションが起こる
        のが当たり前のはずなんだが。

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