竜神峡の不思議
平成20年11月18日に茨城県久慈郡大子町の山中にある袋田温泉を訪れた。
高校時代の友人達に誘われたためだった。
私が山形市を出発した午前11時頃は東北特有の曇り空であった。
郡山まで新幹線で行き、そこで水郡線に乗り換えた。ローカル列車の旅が好きな
私にとって是非乗りたい線であった。
その日は予定通りに袋田温泉に着いたが予想以上に賑やかな温泉街に驚いた。
その日は火曜日の平日であったにも拘わらず旅館をやっととれる状況であった。
泊まったホテルは相撲の雅山の父親がつい最近まで社長をしていた施設であった。
あまり大きくはない旅館街であるがとにかく人が歩いている。観光バスが次々とやっ
てくる。私の山形の旅館街でこのような賑わいを平日に見られる所はない。
やはり袋田の滝というネームバリューのある名所を持っていることが大きな要因で
あると考える。実際に袋田の滝はすばらしかった。自然と便利さとを融合させ若者から
高齢者までが楽しめる素晴らしい観光地になっていた。うらやましい。
さて、ここからが本論である。
次の日は同級生の車で山中を巡ることになった。
最初にまず行くべき所は全国的に話題になった竜神大橋である。
何しろ何もない谷間に行き止まりの巨大な吊り橋を架けたのだから全国の人はびっくり
をした。
週刊誌にも日本最大のムダとなじられた。
私たちはこのことを自分の目で確認しようという名目で行動を開始した。
まず竜神大橋の概要を紹介パンフレットで見てみよう。
次の写真が竜神大橋の姿である。橋長は446メートルとのこと。
橋の上の様子です。平日なのにこんなに多くの人がとびっくりした。
しかし、通路の途中にはガラス製の窓が下向きにありそこを覗くと100メートル
下の光景が見えて橋が微妙にゆれる様子が分かるのだが気分も悪くなる。
さて、ここからが本論です。
家に帰ってから竜神大橋を高空から眺めてみようと思いgoogle Earthを
起動してみた。さっそく大橋を捜すと見つかった。
しかしその光景を見て驚いた。渓谷のうねりがまるで竜そっくりでないか。
もっとアップしてみます。どうです竜の姿そのものです。
また大橋が渓谷を横断しているのもよく分かる。
このようにこの竜神峡は形態がその名称どおり竜の姿そのものでした。
ダムが出来る前にしてもダムのあたりは狭い渓谷になっていたはずなので
今の形態と大きくは違わないはずです。
しかし誰がこんな高空からしか分からない渓谷の姿を竜の姿になっていると
判断したのでしょうか。
まるでペルーの「ナスカの地上絵」と同じ疑問が湧いて来るのです。
それにしてもよくぞこんな何もない深山幽谷の地に行き止まりの巨大な
吊り橋を作ったものです。橋の製作決定をした人の肝っ玉も大きいなあと
思います。
私はこの橋の近くで物売りをしていた人たちに話をしてみたらこの橋のおかげで
自分たちの生活が助かったと言っていました。
この橋が出来るまでは何もない人もいない貧しい山村でしかなかったとのこと。
現在の観光客の落とすお金がこの地元を豊かに潤している現状から判断すると
この事業は当たりだったと思える。
都会の週刊誌が馬鹿にしても貧しい地元にとっては本当の竜神様の贈り物
になったのだと思う。
それにしてもこの竜の姿は私にとって大きな驚きであった。
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