作谷沢の村興し活動 「作谷沢を愛する人の蕎麦の集い」開かる

 山形市の西方10数キロの高原地帯に作谷沢地区がある。
 山形市からは車で30分程で行ける山間の地区で農業・林業が主の地域である。
 周囲は山で囲まれており、湖沼や清流がある自然豊かな土地である。
 この地形から自然界の曼荼羅を構成していると言われ「曼荼羅の地」としても有名
 になっている。
 しかし日本全国の例に違わず年々村の人口の減少が進んでいる。
 土地の有志はこの現象に歯止めをかけようといろいろ企画をして地域の活性化に
 努めている。
 大学との連携も行い周囲にある歴史的史跡を前面に出して地域おこしに励んでいる。
 平成22年12月5日には土地で採れる蕎麦をメインにしたイベントが開かれた。
 名称は「作谷沢を愛する人のそばの集い」と称した。
 私も前売り試食券を入手したので孫たちを連れてさっそく駆けつけた。
 会場は地域の集会場である「作谷沢ふれあい自然館」で行われた。


 入り口で券を提出して控えの間に入るとそこは大勢の人が蕎麦が出来るまでの
 控えの間であった。
 賄いのおばちゃんから漬物と大根の煮しめをいただきそれを食べながら蕎麦が出来
 たと呼びに来るのを待つことになる。
 慣れた人たちは自前の料理を持ち込み酒を酌み交わしながら談笑をしている。
 大変賑やかでこんなに大勢の人がこの地域にいたのかと思ったが冷静に考えれば
 多くの人は蕎麦を目当ての山形市や山辺町からの人が多いのだろう。
 でもこの熱気はすごい。
 

 館内には地元の特産品コーナーもあり特価で販売していた。
 この地域の特産はワサビである。
 きれいな清流が流れており夏の間も水量をあまり変化しない。
 ワサビが立派に育つ土地になっている。

 

次の写真は今回の蕎麦に付けられるワサビである。
係りの人が一所懸命におろしがねでワサビをすりおろしていた。


蕎麦を打つのも地元の人。ベテランに交じって若い女性も蕎麦を打っていた。

すばやく慣れた手つきでどんどん蕎麦を打っていく様子は見事であった。
もっともそうしなければ大勢押し掛けた蕎麦目当ての人の注文に応じられないだろうが。

 

 蕎麦をゆでるのは外の広場で大がまで行う。男衆の持ち場である。
 蕎麦湯の注文も多く対応に追われていた。

 2階の蕎麦を食べる会場である。
 西と東の側が大きく開いた窓になっておりそこから山々を眺められるが自然を眺めて
 いるとさわやかな気持ちになれる。

 いよいよ番号を呼ばれて蕎麦がきた。
 結構な大盛りであった。
 下に敷かれた緑の葉はワサビの葉である。
 蕎麦は中細で噛むと弾力性がある独特の歯触りの蕎麦である。
 地元で採れた蕎麦粉を使っているがこんなにしこしこと弾力性があるとは思わなかった。
 弾力性があるので噛むのも楽しくなる。このため蕎麦の香りが口の中で広がる。
 とにかく美味い。


 我が3歳の孫も美味い美味いと夢中で一枚を平らげてしまった。



























 さて食事も終わりこのイベントの推進人の吉田朝夫氏に話を聞いた。
 この地域は小規模の部落が集まって作谷沢という地区を構成しているが人口は
 600名程だそうだ。
 今日一日で500食の蕎麦を用意したが山形市や山辺からの客が多いので地区の人
 口は倍になった。このような光景が日常的だと良いのだがと語っていた。
 今日のスタッフは75人で全て地域の人たちであり婦人部や青年部と年寄りの人たち
 との協力でなりたっているとのこと。
 イベントの狙いは地域住民が自ら行動をすることで自分たちで動けるのだという心づくり
 をすることだということである。
 従って行政からの援助は受けておらず全て地域住民自らの行動であるとのこと。
 氏は更にこのような企画を推進することで地域の人間関係を密にしていき、村の一人
 一人が自ら学習する意欲を育てていきたいと言っていた。
 このような人口減少の中での地域振興は住民自らの考えて行動することが大きな
 力となるのだという。
 行政の支援を当てにした村興しは本物ではないという考えであった。

 次の写真は作谷沢地区を象徴した水車である。


 このようにゆっくりと確実に動く様子が作谷沢を表わしていると感じて帰路についた。
 御馳走様でした。謝、謝

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