今年で17回 新そば祭り開催
山形県山辺町作谷沢で恒例の新そば祭りが平成23年12月4日に開かれ
た。
今年で17回になる。よくぞ続いたものだ。部落の人たちの団結力がいかに
大きいかが分かる。
ここ作谷沢は山形市から車で30分かからない高原にある農村である。
以前は多くの住民が住んでいたが近年は他所と同様に人口減に悩んでいる。
そこで17年前にすでに人口減への対策として村を元気にする運動に取り組
んできた。
その中身は沢山ありユニークでバラエティに富んでいる。
その一つとしてこの土地を仏教の曼荼羅の地として大学と連携して進めてい
る曼荼羅雪まつりイベントは圧巻である。
ここ作谷沢地区は農産物が豊富に採れる。特にワサビは特産である。
この他に蕎麦粉、米も採れる。りんどうの花やクリスマスローズが有名だが
特に当地の名産品は湧水である。いたるところから湧水が出ている。
年間途切れることはない。この湧水を利用して作っているのがワサビである。
また米も湧水を利用して栽培しているが「作谷沢の湧水の米 はえぬき」とし
て売り出しているが評判が良い。
私がイチオシなのはこんにゃくである。これも湧水を利用して作っているが本
当にこしとねばりがあって美味い。これは"湧水さしみこんにゃく"として販売
されている。
さてこのような中で地元産の蕎麦粉でそば祭りをしているのが今回紹介する
イベントである。
今回は作谷沢地区そのものを題材にした地域起こし事業として「山形学地域
連携講座 作谷沢湧々寺子屋」を実施しているがその中の一コマとしてこの
蕎麦祭りを設定したものである。
ねらいは「作谷沢を愛する人との蕎麦つどい」のイベントに参加し地域の方と
の交流をはかることである。
私と妻は作谷沢の住民ではないのだが講座にも関係していたので助っ人とし
て参加した。
その様子を写真で紹介していく。
下左の写真は会場となる 作谷沢ふれあい自然観である。下右の写真にある
ように開会前から多くの人たちが集まってきた。
お互い顔見知りのため話がはずんでいるがこのようなことが住民の元気さとな
っていくのだろう。
このイベントの実施のために村内外の人たち約70名がボランティアとして
手伝ってくれる。
まずは会長の挨拶で始まり班ごとに分けて手順の説明などがあるのが一般的
なのだがここのは違う。会長挨拶が終わり実行委員長の檄が飛ぶとすぐに
誰も指示もしないのに各人がそれぞれ自分の仕事の段取りに入っていく。
やはり17回も続けると仕事の内容が体に浸み込んでいるのだろう。
下の写真は会長さんの挨拶の様子である。この会長さんは第一回から継続し
て就任して頑張っていられる。
第一回の時は俺もみんなも若かったと笑っていた。
玄関や部屋の床を守るために全部ビニールで覆っていくのだがこれも
早い。あっという間に館内全てを覆ってしまった。
蕎麦を打つ人たちである。いずれも師匠各の名人ぞろいである。
この女性は若いのに早く確実で伸ばしから切りまですべて一人でこなす。
今回は500食以上をこのメンバーでやらねばならないので相当につらい
仕事である。
蕎麦2Kgを半分に割り、二人でこねていく。お客が混んでくると大変で
ある。スタッフからは催促の声が飛ぶ。切る方も大変だ。太さが変わら
ずに切るのは大変だ。
茹でるのは屋外のテントの中である。とにかく大量に茹でなければならない
のだから鍋は釜に、燃料はガスバーナーでという強力態勢である。
さて右側の写真であるが茹であがった蕎麦を冷水で湯掻いている。
実はこの方が蕎麦の良しあしの判定をしている。彼の了承が無いと先に
進まないのだ。
少しでも自分の気にあった硬さにならないと惜しげもなく投げてしまう。
もったいなくて私は何度も食べてしまったがどこが悪いのか分からなかった。
美味いことだけは分かったのだが。
次の主役はワサビ担当である。
ご当地の代表的存在である湧水ワサビをたっぷりと蕎麦に添えることがこの
そば祭りの蕎麦の特色である。
そのためにワサビを擦る担当は大忙しである。ワサビの辛さで目に涙が一杯に
なりながらの奮闘である。食べ終わって戻ってくる皿を見るとさすが食べきれない
ワサビがたっぷり載っている。またもや私はもったいないと叫ぶ。
蕎麦を皿に載せるための準備と皿に盛る様子も紹介しよう。
この緑の葉はワサビの葉です。蕎麦を引き立たせてくれていま
す。
やはり盛り付けは女性の手でないと駄目とのこと。お父さんは
葉っぱを載せるまで。
さて次に食べる方たちの様子を見ます。
最初は待合室に入り漬物や添え物等を食べて呼びに来るのを待ちます。
美味いお酒も売っているのでそちらを楽しんでいる人もいます。
竹の節と節の間にお酒を入れて炭火で熱くします。とても美味いとの評。
下左が待合室の様子。ここですでに食べたり飲んだり語り合ったりの場となっています。
下右 蕎麦は2階で食べます。この2階からの山の眺めも素晴らしいです。
2階に蕎麦を運ぶのは若い衆の役目です。 蕎麦の姿もご覧あれ。
湧水で締めたきりっとした硬めの蕎麦です。おいしかったです。
さて、以上が第17回の作谷沢蕎麦祭りの様子です。多くの人が
美味い美味いと言って食べていました。
今回は550食位出たのではないでしょうか。
食べにきてくれるお客さんは多くは山形市や山辺町の住民なので
この日は人口600人の村は倍の人数になりました。
このようなイベントを村人全員で取り組み作谷沢の名を世に知らし
めていくことは住民の意識を高め、そしてまた村の外からの視線を
強くしていく効果は確実にあります。
私はここに温泉があるなら天国だと思っています。
現実に温泉を掘る方向で活動している方もおり何とか実現して欲し
いと願っております。
私もそのような理想の地になれるように応援団として協力していき
ます。
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