今年も たたら・ふいご祭りをやりました

 平成26年10月19日に宮町、銅町、鍛冶町を中心とする山形市北部地区のお祭りが
 開催された。

 昭和30年代まではこの北部地区は鋳物と鍛冶屋の工場がビッシリと並んでいた。
 町は活気に溢れ人々が走り回っていた。
 しかし、今やその名残を残すのはこのたたら祭りによってでしか見ることが出来ない。

 例年、開催を危ぶまれ何とか祭りを開いてきたが特に今年はピンチだった。
 だが、かえってこの危機感が町の結束を強めたという感がした。

 やはり開催に対する大きな障害は高齢化と不況である。
 これは全国的に共通で日本の現況を反映していると思う。
 しかし、ここからが我が町は違う。この危機感をバネにして今年は大きく飛躍したので
 ある。

 では今年のたたら・ふいご祭りの様子を紹介していく。
 そもそもたたらとふいごとは何なのだろうか。
 私のようにこの地区で育った子供たちにはたたらもふいごも馴染みのものだった。
 たたらとは踏鞴と書くが読んで字のごとく踏むものである。踏んで風を送るのが役目だ。
 たたらに上がって踏鞴を踏む形が歌舞伎の「たたらを踏む」すなわち地団太を踏むと
 いう言葉の由来になっている。


 まず祭りは祭り参加者全員の安全祈願祭から始まった。


 この祭りでは実際に小型の溶鉱炉を設置して鉄を溶かして鋳造する過程まで公開する。
 鋳物組合の人たちの見せ場だ。

 正面が溶鉱炉、後ろで子供たちが乗っかっているのがたたらの模型である。
 シーソー式になっており右と左の人が交互に踏みつけて風を発生させる。
 当日はこの模型では非力なので実際の風はモーターで送ってやる。



 次のものが「ふいご」である。
 手風琴のように胴の中の弁を手で押すことにより風を発生させ炉の温度を上げる。
 鍛冶屋さんが鉄を真っ赤に熱して金槌地でトンテンカン、トンテンカンと叩いている
 光景を高齢者は見たことがあるだろう。

 実演者は山形打刃物共同組合の前理事長さんで自らの実演である。


 この地区にはもう一つ伝統高いものがある。それがたたら太鼓である。
 地区の子供たちが熱心に技法を学び、習得している。
 今日が彼らの晴れ姿である。



 この他周囲には楽しい飲食店やゲーム店まで存在する。
 そのすべてが町内会の面々の運営である。



 竹とんぼの製作コーナーもある。
 意外に好評で材料が足りなくなり慌てて追加発注をしていた。



 昔の乙女たちの踊りまで出てきた。


 以上のように今年もたたら祭りを行うことが出来た。
 今回は組織を改めて若い人を出来るだけ役員に登録して行ったのが巧くいった要因だろう。
 今回の祭りの成功でこの祭りも先が明るい様相を見せてくれたと言える。


  
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