不思議な釣石神社の巨石を訪問

                                  平成24年8月23日
 宮城県石巻市北上町に不思議な巨石がある。いまにも落ちそうな状態になって
 いるのだが落下しないため受験する人のお守りになっている。
 正確な場所は宮城県石巻市北上町十三浜字追波である。
 ここは東日本大震災で大変な被害を受けた大川小学校の対岸の地域になる。
 8月23日に被災地を慰問した時にこの神社もどうなっているかを確認したく参詣す
 ることにした。
 石巻市を東に抜けていき北上川に出会ったら橋を渡り右折れしてどこまでも進む
 と釣石神社の傍に出てくる。
 一帯は北上川の堤防沿いに近く平常は野鳥が飛び交う大変のどかな地域である。
 しかしこの一帯も平成23年3月11日の大津波からは逃れられなかった。
 当然釣石神社も大きな被害を受けたのだがご神体の巨石はどうなっているかが
 心配であった。
 堤防に沿って進んでいくと津波の痕跡がまだ残り道路はあちこちが陥没している
 状態であった。
 このような時にまた津波が来たら逃げようがないなと心配しながら進んで行くと
 次のように野原の草生す中に高い看板が立っていた。
 以前はこの辺が駐車場で大型のバスなどがびっしりと停まっていた。


 近辺は北上川が海に注ぐ地点に近く、ちょっと見ると川なのか海なのか迷う時がある。
 この地域の海水が一挙に川を遡っていったのだからそのエネルギーはものすごかったに違いない。


 看板を背にして前を見る山が釣石神社の全景である。山全体が神社を構成している。
 昔はこの山の一部が北上川を行き来する船の見張所であったとのことである。


 前に進むと山へ昇る長い石段が表れてくるがその左側にご神体の巨石が見えてくる。
 その巨大さに驚くがそれよりも下に地下ずくに従い強い圧迫感を感ずる。
 今にも落ちそうになっているのだがこの状態で安定し昭和53年の宮城沖地震の時も
 無事だっのだから驚きだ。


 よくよく岩を観察しても何故落ちないのか不思議である。
 何も支えるものは見当たらない。

 
 さてこのように大地震にも無事耐えて生き延びてきたこの巨石にはやはり強いパワーを感じるの
 だろう。
 近年はパワースポットとして全国的に有名になってしまっている。
 この巨石の下で首を垂れると多くの受験生が大挙してお参りに来るのもうなずける気持ちになる。

 このたび被災地と釣石神社を改めて訪れてみると人間の力の小さなことと自然の力の巨大さをつくづく
 感じさせられる。
 人間は常に畏れ敬うものを持っていなければならないと思う。そうでなければ人間であり続けられなく
 なるに違いない。
 

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