秘境シリーズ 八ツ森駅探訪 その2


 48号線からニッカウィスキー工場への道に入りますが工場へは直ぐに左折れしていきますが、
今回は入らずに直進します。
 直進すると新川の部落に至ります。

  

ここをどこまでも直進します。方角から見てここしかないと見当を付けました。
しかし、ついに道は舗装道路からおさらばして砂利道に入ります。一瞬道が違ったかなと弱気になりましたが
行き止まりまで行こうと決意して前進しました。





 道はどんどん狭くなります。こりゃはずれたなと思えてきました。
 戻ろうかなと思いましたがとにかく終点まで行こうとの思いで進みました。

更に進むと見えてきました。前方に何か駅のようなものが。
ついに来たな!と気持ちが高ぶりました。

道をどんどん進むとついに全貌が見えてきました。


この道を登り、プラットフォームの上に出ました。
次の写真は仙台側を見た光景です。
線路はカーブをしていて更にカント(傾斜)がきついので斜めの状態で乗客は待機していることとなります。
ここで停車しているときの気持ちはあまりよくないでしょう。
 それにしてもこんな条件の良くない場所に苦労してこの駅を作った背景は何なのか興味があります。



 次の写真は山形側を眺めた様子です。
 とにかく周囲360度が全て山です。その中にぽつんとこの駅が存在しています。人家などありません。
 でもようやく秘境の駅にたどり着いたという満足感で一杯になりました。



 次が駅名表示板です。これで本当の八ツ森駅と判断できました。

 
 
 改めて駅前を見てみました。とにかく何も無い。人もいない。見えている車は私のではありません。
 おそらく山林に入り、山の幸を探している人のものと思われます。
 どうしてこんな所に駅を作ったのだろうと改めて考えてみました。



 時刻表を見ると何と停まる列車はありません。(臨)とのみ書かれています。
 平日、土日全ての日で停まりません。



 結局ここは臨時停車用の駅であって、臨時に乗り降りの必要が生じた時のみ有効になる駅なのです。
 たとえば、ここは新川(にっかわ)ラインの入り口ですのでシーズンに入り、ハイキング客が多くなると
臨時に停まることもあるという位置づけです。
 ですから通常は全く停車しません。本当の幻の駅なのです。
 次の標識板がその新川ラインの案内板です。

 
 ここはシーズンに入ると仙台からの人で大にぎわいとなります。
 この地点から上流の奥新川駅まで渓流をさかのぼり、作並温泉に出て温泉で体を癒すという
景勝と健康増進の地なのです。今後この地を都会の人の癒しの地として売り出すのかなと考えて
しまいます。
 もう一つ気になることがあります。
 実は新川の集落からここにくるまでに結構多くのログハウスや別荘らしきものが点在しており、
 仙台からも近いので案外不動産的価値がある地点なのかなと感じました。
 そうしたらありました。次の看板が。目先の利く人間は先行投資をしているのかもしれません。

 
 さて、ようやくたどり着いた秘境の駅は本当に自然の中の幻の駅でした。
 でも、どのくらいこの幻の駅の地位を保てるのか不安です。
 開発は一旦始まると狂気の速度で進められます。
 どうか八ツ森駅が健全な発展をしていって欲しいと強く願い、秘境の駅を後にしました。
追記
 さて平成24年10月31日に被災地志津川町へ行くことになり仙山線で出かけた。
 丁度一番前の窓が空いたのでさっそくカメラを持ち八ツ森駅を車内から撮影することに
 挑戦した。
 現場が近づいたが列車が早くカメラの焦点が合うのに結構時間がかかり細かい点は
 取れなかったが雰囲気だけは撮影出来た。
 それを次に紹介してみる。


 駅がカーブの地点に面しているのがお解りだろう。


 駅を過ぎると鉄橋が来るがこの下が奥新川(おくにっかわ)である。
 ここより上流が奥新川ラインと呼称されるハイキングコースである。


 これで車内・外からの光景により八ツ森駅が実在していることを
 ご理解していただけたことと
 思う。
 それでも私が仙山線に幻の駅があるよと言っても誰にも信じても
 らえない状況は変わっていない。

 
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