米湿原を訪ねる 平成29年9月13日
山形県は全体が山、山の地である。
市街地から出ればすぐ山間の地になる。
少し分け入れば谷間があり、水が流れ、木々は緑で空気はうまい。
私はくたびれるとこのような地に行く。
でも意外に湿原は少ない。
私のお気に入りの癒しの地は山形県の北、新庄市の西にある鮭川村である。
ここはきのこの産地であり、蕎麦の名所でもある。
とにかくここをドライブしていると疲れも吹き飛んでしまう。
ここ鮭川の地に珍しい名前の所がある。私は最初読めなかった。
それは米部落である。
村の人に何という所ですかと聞き「よね」だよと言われた時は拍子抜け
してしまった。まさかこめでないしなぁ、べいかなぁ、まさかまいではないよなぁ
などと考えていたので。
さて、ここに湿原があるとは知っていて何年か前に来ていた。
今回は長雨が続いたので湿原はどうなっているかなぁと考え訪れたのだ。
まず所在地の地図を示そう。下部中央近辺が米湿原です。
この地図で見ると新庄駅の真西になっているのが分かる。
地図では簡単に見えるが行ってみるとなかなか分かりにくい。
458号線かの東から入るのと大きく迂回して北側から入るのとの二つの方法があるが
行ってみて迷いながらたどり着くのも楽しみだ。
苦労してたどり着くと駐車場が出てくる。しっかり管理されたきちんとした駐車場だ。
立派な看板も整備されている。
駐車場に車を置き、そこから下の谷間の方向に歩いていく。
10分位で湿原に着く。
湿原には木道がきちんと整備されているが相当に痛んでいるので十分に
気を付けて歩く必要がある。
ちゃんと丁字路まであるぞ。
これが湿原の全容です。そんなに広くはないがここが四方の山に囲まれた窪地に
あることがおわかりいただけると思います。
このような野草が待っていてくれました。
さて、湿原と別れて米部落の方向に降りてきた。
バスの停留所があった。バスはここでUターンしていく。
さて、この湿原を訪れるときは通常はこの部落から入っていった方が良い
のでしょうが、今回私は逆方向から湿原に向かいました。
部落入り口にはきちんとした看板があり、これを見るとよねと理解出来る。
更に部落の入り口には立派な観光用看板も整備されている。
遠方から部落の全容を眺めてみた。
湿原はこの山の蔭の地帯になる。
さて、この米湿原はどのようにしてここの人目につかない所に存在して
きたのだろう。
答えは部落の田んぼの水源として保存されてきたのである。
ここの一帯は山形県でも有数の雪の多い地域である。
そのために山に囲まれた窪地には大量の雪が降り積もり4月いっぱいまで
雪を蓄えてくれる。これが田んぼへの水の供給源になり地域住民から大切に
されてきたからである。
もう一つの特色はこの湿原は国有地などではなく私有地になっている。
そういう私有地を部落として大切にして保存してきて現在に至っているのである。
ただ今後、これまでの形態で保存が出来るのかは今回訪れてみて少し
心配になる点が多くあった。
1.木道が腐ってきている。補修に大変な費用がかかりそうだ。
2.湿原に雑草が生い茂り水を吸い上げており湿原が乾き硬くなってきている。
3.周囲の木々が、特に杉が枝打ちがなされないので伸びっぱなしになっていて
荒れた光景になっている。
4.野草が雑草に負けてしまい美しい姿を見れなくなっている。
5.部落の人の高齢化が来るたびに感じられ、住む人の気配が少しづつ薄く
なっていて人間側の心配が感じられる。
等々多くの事が感じられるが でも、何とかこのまま残っていって欲しいなぁと
強く思う。
そのような気持ちと期待を持って湿原を後にしました。
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