人生と蕎麦を楽しむ夫婦の蕎麦や

 平成23年9月1日に山形県天童市の東の山麓の中に出来た
 留山ダムを訪れた。
 ここは天童高原に向う道路から南に分岐する道路を登っていく。
 道路は狭いが比較的良好な道路で速度を出さなければ安全な
 道である。
 まもなく次の写真のようなダムが出てくる。
 竣工が平成23年6月であるから出来て間もないダムである。
 ここは有名な天童市の東側の山奥にある「ジャガラモガラ」の
 裏側にあたる地域である。

 さて、ダム見学が終わり、元の天童高原への道路に戻り天童高原を
 訪れ帰り道となった。
 途中の田麦野の部落を通っていると右側に蕎麦やの幟が立ってい
 た。こんな山の中に蕎麦やがあるなあと思い一寸寄ってみるかと車
 を向けた。
 
 
 玄関に立つと粋な木彫の看板が出ていた。素敵な木目だなと思い
 近づき良く見ると見覚えのある方の署名がある。
 私が習字を習った先生の名前である。
 何でここに先生の名があるのかなと疑問を持って玄関をくぐった。
 

 店内は全て典型的な田舎屋風の落ち着いた造りである。
 民芸品や木工製品がいたるところに飾ってある。どうも全て手作りの
 ようだと感じた。。

 

 キョロキョロと辺りを見渡していると突然 ○○○○さんでないかと
 声をかけられた。
 私はびっくりして声をかけてくれた方を見ると店のご主人がこちらを見て
 笑っていた。なんと私が習っていた習字教室で一緒だった方だった。
 えっ! 何でここにいるのと聞くともうここにきて10年はなるとのこと。
 私は熱心な習字の受講生ではなかったがこの方は真面目に取り組ん
 でいた方だ。そこでピンときた。昔から木彫や塗装に凝っていたから
 これらの民芸品が彼の作品だなと分かった。それにしても造りは見事
 だった。


 さて折角蕎麦を食べにきたのだから蕎麦に話を戻す。
 蕎麦はこしのしっかりした少し硬めの蕎麦である。味は良いし蕎麦つゆの
 味も絶品だ。


 食べ終わってからご主人とゆっくりと話をした。勤めていた会社を
 クリアーした後に自分の好きなことを十分に楽しみたいとこの家屋を
 買い取り蕎麦屋を開いたとのこと。
 蕎麦を打ちながら別棟の木工アトリエで木彫をやり漆塗りやカシュー
 での塗装の技巧を楽しみ自分なりの作品を創っている。
 この店内は時にはコンサートの会場にもなりクラシック等の音楽会も
 楽しめる。

 ここ田麦野はつい最近まで小学校があり今は社会教育のための施設に
 なってしまったがこの小学校は僻地校指定を受けていた。
 そんな辺鄙な土地に居を構えて生活を営むことを決断したことは大き
 な決断だったのだろうが彼は淡々と好きだったから出来たと語る。
 真冬になり客が来ない時は木工品制作に励むのだそうだ。
 四季がはっきりしているこの地での生活は厳しいが奥様との二人三脚の
 生活は充実しておりそのあり様が地域誌に報道されたりして徐々にお二
 人の生き方が地域興しの話題に取り上げられることが多くなっている。
 

 本当に今回は思いがけずに懐かしい人にお会い出来たこととその方が
 素晴らしい人生をおくっていられる様子を知ることが出来私も何か嬉しい
 気持ちになりお別れした。

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