宮城蔵王の樹氷

2018-2019年版−2019年1月3日Update

樹氷がなくなる?

温暖化により,いずれ樹氷がなくなるのではないかと懸念されていますが,温暖化でなくても,樹氷が見られなくなるかもしれません
それは,樹氷となる木(アオモリトドマツ)が枯れているからです
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アオモリトドマツ枯れ1, アオモリトドマツ枯れ2
中国からの煤煙や酸性雨が原因かと思いましたが,そうではなく,昆虫だそうです。幹の中に入り込む昆虫により,アオモリトドマツが枯れています
数年前から枯れ木が目立つようになり,気になってはいましたが,山形蔵王から宮城蔵王の稜線で広範囲に枯れています
枯木が再生することはありません。幼木が樹氷の大きさ(少なくとも人の背丈以上)まで生長するのに十数年は要するでしょう
すべてのアオモリトドマツが枯れたわけではないので,樹氷が全くなくなるわけではありませんが,「樹氷原」や「樹氷群」は見られなくなると言っても過言ではないかもしれません
これまで見ることができた神々しい風景がなくなってしまうのは大変残念なことです

宮城蔵王の樹氷

樹氷と言えば蔵王
蔵王は,宮城県と山形県の県境に位置します。樹氷観賞に訪れる観光客数は山形県側(山形蔵王スキー場)が多いです。これは,山頂まで上れるロープウェイがあることが大きな要因です
それでは,宮城県側では樹氷が見られないのでしょうか?
そんなことはありません。宮城県側でも樹氷を見ることができます
エコーラインは,11月から翌年4月までの冬期間通行止めとなりますが,みやぎ蔵王すみかわスノーパークまでは除雪されているので,みやぎ蔵王すみかわスノーパークが宮城蔵王の樹氷観賞の拠点となります

【冬山登山】
冬山登山の場合は「すみかわスノーパーク」のスキーリフト3本を乗り継ぎ,リフト終点からスキーやスノーシューを履いて刈田岳山頂や刈田峠を目指します。所要時間は登り2時間程度。下りは,スキーであれば1時間もかかりません
(時間は目安であり,個人の体力やルートによって異なります)

【樹氷鑑賞ツアー】
観光の方は,雪上車に乗車し刈田岳山頂付近まで行くことができます。樹氷鑑賞ツアーは「すみかわスノーパーク」から雪上車に乗車し刈田岳山頂付近まで上ります。所要時間は往復約2時間です。ツアーは予約制で運行時期が限られるので,事前に「すみかわスノーパーク」に確認してください
天気に恵まれれば,心洗われる白銀の世界を目にすることができるでしょう
樹氷を見られなかった場合は,私の作品をご覧ください

樹氷の見られる時期

例年だと1月上旬〜2月下旬が見頃(大きな樹氷が見られる時期)です
昨年(2018年)は,1月30日に蔵王の噴火警戒レベルが引き上げられ,刈田岳周辺への立入が規制されました。3月始めには解除されましたが,この間,冬山登山や樹氷鑑賞ツアーが制限されました
今シーズンは,今のところ,このようなことはありません
今シーズンは,昨年12月末になりやっと寒波に覆われ,日本海側では年末から雪が続いており,樹氷はできていると思います(ただし,大きくなるのはこれからの天候次第)
寒さが厳しく雪が多い年は,3月中旬ごろまで樹氷を見ることができます
しかし,樹氷は気温に敏感です。暖かい日が続くと氷雪が融けてゆるむため,きれいな形の樹氷を見ることはできません

樹氷の出来不出来の目安は,ゲレンデ情報からある程度推定できます。宮城蔵王山麓にあるスキー場(えぼし,すみかわ,白石)が
全コース滑走可能 ⇒ 雪量多いので樹氷も発達
一部コース滑走可能 ⇒ 雪量少ないので,きれいな形の樹氷は期待できない
・・・おおまかですが以上のように推定できます

樹氷の見られるポイント

樹氷マップ

ハイライン,エコーライン沿い(道路は雪に埋もれており雪上車が走ります)。それに刈田岳から屏風岳にかけての南蔵王稜線に樹氷原が広がります
天気が良ければ,刈田岳山頂からこれらの樹氷群が一望できます

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屏風岳
南蔵王

樹氷の汚れ

樹氷が発達する12月〜1月の厳寒期はあまり気になりませんが,3月頃に樹氷を間近で見ると黒っぽい微細なごみが付着していることがあります
原因は,中国で排出された煤煙が偏西風に乗って流れてきたものと考えられます。色や時期からして黄砂ではありません。中国の大気汚染が蔵王の樹氷にまで影響を及ぼしていることは大変残念です
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黒い汚れ

補足

掲載している写真の大部分は晴天の日に撮影したものです
しかし,冬の蔵王は晴れの日は少ないです。平地やスキー場が晴れていても,山には雲がかかっているのが普通です。私は天気予報を見て,晴れが期待できる場合に限り山に登りますが,それでも山頂で好天に恵まれるのは数回に1回の割合です
ですから青空のもとで樹氷が見られたら山の神様に感謝しましょう
山頂はものすごく寒いです。風が強いです。平地とは気象条件が大きく異なるので防寒防風対策をしっかりして登りましょう
また,気温が低いと電池の消耗が早いです。出かける前にデジカメやスマホはフル充電し,予備バッテリーは必須です

−−−樹氷観賞を計画されている方へ−−−
「すみかわスノーパーク」までは除雪されていますが,路面状況はアイスバーンや圧雪,それに急カーブ・急坂なので運転には十分注意してください。スタッドレスタイヤまたはタイヤチェーンが必要です。夏タイヤでは4WD車であってもすみかわスノーパークまで行けません

冬山登山をされる方へ
吹雪になると視界ゼロ。荒天時は登らない。初心者は単独で登らない。安全登山で楽しく

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