インターネットの歴史 |
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20世紀の半ばに米国で初じめての真空管コンピュータ(ENIAK)が開発され、 現在までに約75年余の時が過ぎた。その間、コンピュータの発展の大きな牽引力 となったのは、研究や学問の立場からは少々残念ではあるが、軍事活動によるものであった。 最初のコンピュータも弾道計算をするために開発された。さらに、米国でコンピュータを 相互に接続する動きが起こったのは、それから約20年後の1969年であった。 これも、米国国防総省高等研究計画局(ARPA)の指導の下に、UCLA、SRI、 UCSB、UUの4つの大学・研究機関を接続して実験が行われた(ARPAnetと呼ぶ)。 将来、このネットワークは、米国科学財団の運営するNSFnetに吸収される。 その後、世界の各地でたくさんのネットワークが構築されて行く。 日本でも、1984年に、東京工業大学、慶応義塾大学、東京大学の3校により JUnetが作られる。また、別の観点からネットワークの通信手法やインフラ技術として 米国Xerox社等によりネットワークの基本になるEtherNetと呼ばれる技術が開発され、 世界各地のネットワークにこの技術が採用される。さらに、通信手順(プロトコル)の技術として DARPA(旧ARPA)によりTCP/IPと呼ばれるパケット通信規約が開発される。 やがて、これらの独立したネットワークは、お互いに接続をすることになる。 1985年ころから米国科学財団のCSnetを中心に各地のネットワークが接続を始め、 日本のJUnetも1986年に接続を果たす。そして、これらのネットワークの集合体が、 公立機関から民間にも利用が許(商用化)され、WWWといった情報公開の技術 (これは、純粋な科学の発展課程で生まれた)もヨーロッパのCERNで開発され、 文字通りネットワークのネットワークと呼ばれる今日のインターネットの礎となった。 |
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インターネットの歴史年表 |
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1969年 |
米国防総省高等研究計画局(ARPA)によってARPAnet(アルパネット)が開始される。 (UCLA、SRI、UCSB、UUの4校が参加) 〜1988年 |
1973年 |
米Xerox社のパロアルト(Pal.Alto)研究所のRobert M.Metcalfeにより
EtherNetが開発される。 後に、LANの代名詞となる。 |
1974年 |
DARPA(Defence Advanced Research Projects Agency:旧ARPA)が、
パケット情報交換通信規約(TCP/IP)を開発(開発者:ロバート・カーンとヴィントン・サーフ)。 |
1979年 |
NSF(全米科学財団)によって、現在のインターネットの母体となる
CSnetの運用が開始される。 |
1980年 |
米Xerox社、DEC社、インテル社の3社共同提案で、EtherNetのDIX仕様が制定され、 イーサネット・バージョン1として発表(1982年にイーサネット・バージョン2になる)。 |
1983年 |
ARPAnetが、TCP/IPプロトコルを採用。 カリフォルニア大学が、UNIX−OSを発表。 |
1984年 |
日本で、東京工業大学、慶應義塾大学、東京大学の3校が参加して
UUCP接続による JUnet(ジュネット)の運用を開始する。 |
1986年 |
JUnet(日本)がCSnet(米国)に接続。
NSF(全米科学財団)によりNSFnetがスタートする。 |
1988年 |
日本でWIDE(ワイド)プロジェクトが開始。日本最初のIP接続ネットワークとなる。 |
1989年 |
ARPAnetがNSFnetに吸収される。 |
1990年 |
AUP(ネットの利用制限)の緩和により、NSFnetが中心となるインターネットの商業利用が解禁される。 |
1991年 |
スイスのCERN(ヨーロッパ合同原子核研究所)のTim Berners-Leeにより
論文の世界に向けた発信を目的にWWWが開発(発表)される。 |
1992年 |
このころからパソコンでもTCP/IPが利用可能になる。 |
1993年 |
米国のゴア副大統領が「情報スーパーハイウェイ構想」を提唱 現在のWebブラウザの先駆けとなる「Mosaic(モザイク)」が発表される。 |
1994年 |
NSFnet(米国)が民間に移管され、NREN(National Research and Education Network)となる。 JUnet(日本)の解放。 日本でもダイヤルアップIP接続によるインターネット個人サービスが開始。 Netscape Navigator」が発表される(10月)。 |
1995年 |
サンマイクロシステムズ社が「Sun World 95」で「Hot Java」と呼ぶJavaアプレットを
実行できる(JVMを内蔵した)Webブラウザを発表。これに付随してJavaの発表となった(5月)。 全世界238国中、173ヶ国がインターネットに接続(6月)。 Windows95により個人のインターネット利用者が急増。 |
1999年 |
サンマイクロシステムズ社がJava2(JDK1.2)を発表。 |