ササシグレとは?


石巻地方において昭和40年代以降田んぼからその姿を消した水稲品種ササシグレについて報告します。

■ササシグレの誕生■

農林8号と、東北24号を親として、昭和15年に国立農事試験場鴻巣試験地で交配され、その雑種第3代の種が宮城県農業試験場指定試験地に配布された。農林8号は兵庫県農業試験場において、朝日(旭系)と銀坊主(愛国系)の交配から生まれ、東北24号は宮城県農業試験場指定試験地で、旭と亀の尾の交配から生まれている。昭和27年に宮城県農業試験場古川分場において、宮城の祝い歌「さんさ時雨」に因んで、ササシグレと命名し農林73号として登録をした。

■親の系統■

栽培当初は多収穫で栽培面積が広がり、ササシグレはうまいと言うことで人気が広がった。親をたどると、西の横綱と言われた旭と、東の横綱、亀の尾の血が色濃く入っている。 なを、旭と、亀の尾は現在の良食味系統の根幹を担っている西と東の2大品種である。

■親勝りのササニシキ■

ササシグレは、昭和36年には92,400ha栽培され、東北地方で第1位の栽培面積を記録した。しかし、昭和38年を境にして、ササシグレのこども、ササニシキにその座を譲り、昭和46年以降その姿は宮城県の田んぼから姿を消し、細々と農家の飯米用として栽培されつづけてきた。現在ササシグレの栽培面積は不明である。ササニシキは当初から親勝りと評判の稲では有ったが、唯一食味だけは親のササシグレを超えられなかったと、当時を知る多くの人々が懐かしがっている。

■平成に返り咲いたササシグレ■

現在私は酒米用に亀の尾を栽培しているが、亀の尾の歴史を調べる途中でササシグレのことを知った。食味がササニシキに勝っているということを知り飯米用として食べてみたくなり、平成10年から栽培に着手してきた。

■食味改善に直播栽培の導入■

昨年収穫したササシグレを食べてみたところ、とても美味しく、各方面から好評を得た。ちょうど今年から、水稲直播栽培に取り組むにあたり、直播により稲がストレス無く育ち登熟が良くなり食味が改善される特性を利用し、更なるササシグレの食味改善に取り組んで現在栽培中です。

■ササシグレの栽培概要■

栽培面積;5000u(5反歩)、栽培特徴;打込点播による湛水直播、栽培管理;他品種同等普通栽培、直播によるメリット;食味の改善、デメリット;倒伏などでの減収

■お願い■

現在、米はコシヒカリ系が主流となり、ササニシキの良さが忘れ去られてきています。ササニシキの原型である宮城で育ったササシグレを多くの消費者に提供し、宮城の美味しい米の味を思い出していただき宮城米の消費が拡大する様に情報を提供します。栽培者その他詳細は下記の通りです。

   21世紀に向けて復活した米の貴婦人“ ササシグレ ”に付いてご紹介します

平成18年産 本石米 “ ササシグレ ” の特徴

 茎が細く長い、穂が大きく穂首がしなやかです。その為、倒伏には特に弱い稲です。又、登熟後の長雨などにより発芽しやすくなります。稲の病気で恐れられている稲熱病(イモチ病)には特に弱い品種です。

 しかし、倒伏しやすく、穂発芽特性があり、いもち病に弱い特性は、食味の上では非常に美味しい米となりうる要素を秘めております。平成17年産のササシグレは収穫後のわら束を握り締めるとしっとりとしていて、稲わらがとてもきれいです。今年は台風や秋の長雨にも逢わず、倒伏の影響もなく品質が非常に良好です。米粒は芯白が出やすい(酒造米としては大切な部分)ですが品種の特徴をご理解ください。

 10月初旬頃に収穫後、機械乾燥で自然に近い状態の乾燥に仕上げました。玄米水分は15%に設定してありますので初めての炊飯は三合程度の量で水加減を確認しながら炊いてみて下さい。炊き上がりの様子は、銀シャリの言葉が良く似合うササシグレです。また、ササシグレ独特の新米の香りも良く、米粒の一つ々につやが有り、さめてもその風味は変わりません。ササシグレのうまみは糊粉層にありますので精米は特に気をつかっています。

 農薬の使用を極力抑えている為、精米の中に時々、黒いツブが散見されます。これは、ササ系の良食味米の特徴です。夏にモミに麹菌が付着し、そのまま菌核を形成し、時々玄米が黒くなりますが無害です。

 消費者からご質問がありました場合は、農薬の使用を削減している結果です。とご理解いただきます。

  

親勝りのササニシキ


ササシグレは、昭和36年には92,400ha栽培され、東北地方で第1位の栽培面積を記録した。しかし、昭和38年を境にして、ササシグレのこども、ササニシキにその座を譲り、昭和46年以降その姿は宮城県の田んぼから姿を消し、細々と農家の飯米用として栽培されつづけてきた。現在ササシグレの栽培面積は不明である。ササニシキは当初から親勝りと評判の稲では有ったが、唯一食味だけは親のササシグレを超えられなかったと、当時を知る多くの人々が懐かしがっている。 “ササシグレ”は
米の貴婦人
の愛称が似合うそんな雰囲気のお米です。

 ササシグレの特徴

ササシグレの大きな特徴は、その良食味に有ります。淡白で柔らかい甘みが有り米つぶが大きくころっとしているので豊かな食感が口の中で広がります。そして、特筆すべきは、ササニシキなどの後継種の食味が低下する夏場においてもその食味が変わらないことにあります。炊き上がりの香りもよく、冷めてなを食欲をさそります。

   18年度産ササシグレは化学肥料を在来の4分の1に抑えて栽培しています。栽培履歴は、青果ネットカタログ『SEICAhttp://seica.info/search/?00013143 で確認できます。

自分が食べたくて作っているお米ですので皆様にきっと御満足いただけると思います。今後とも皆様の暖かいご声援をいただきながら、安全で安心なお米作りに頑張っていきたいと思いますので、ご感想などをFAX又は、メールなどでお知らせ下さい。

  
                          
今後とも宜しくお願いします。

栽培者名 :太田 俊治(オオタ トシハル)
栽培者住所 :石巻市蛇田字南経塚17
所属団体 :石巻稲作研究会
栽培地 :石巻市蛇田地内
収穫時期 :9月25日頃
連絡先電話番号 :(自宅)0225−95−0834
メールアドレス :qwb01124@ic−net.or.jp