スタッフと現場技術屋の違いはあるか 

一般に、スタッフ技術屋は生産技術、製造技術、工程技術、製品技術などと言われて、どんな組織にも机に座って現場に指示する方がいるはずです。現場はそのスタッフの技術屋さんが発行する文書に従ってモノを作るわけですが、本当にうまくいっているでしょうか。スタッフの技術屋さんは、カタログエンジニアなどと言われて。現場と遊離していませんか。

改善のテーマで、スタッフのぞくに言う技術屋さんと、現場の第一線監督者にさせるテーマで、迷いはありませんか。最初から出来る問題を、スタッフがやって、その逆に難解な、特にモノづくりの根幹にくるものを、現場でやっていたりはしないでしょうか?
決め事はスタッフ、それを守るのは現場だ。これは基本ですが、実際に事実は現場にあり、当然現場の監督者、いやオペレータが一番知っているはず。ここが、ポイントです。

 現場技術屋から、そして「全員が技術屋」に
 普通モノづくりの多くは、新製品、材料変更などのときは、設備はどうで、どういう工程でやるとこういうものができる。そこのところまでをスタッフの技術屋がやって、その後、モノができるようになったら、工程改善、設備改善は、スタッフ技術屋、QCサークル、現場の監督者などになるのでしょうか。

昔から「馬鹿とハサミは使いようで切れる」というが、モノづくりというのは、そのハサミを使って、どういうふうにうまくものを切るかということであり、スタッフ技術は、これを切るのにはこのハサミがいいですよ。たとえば反物を切るにはラシャバサミがいいとか、板金なんか切るにはこういうハサミで。ということを決めるのがスタッフで、無論、新型のハサミを開発も含まれる。しかし、現場のコツがないと、そのハサミをもらってもうまく切れません。
板金バサミを借りてきても、素人では鉄板をうまく切れないでしょう。ただ、板金職人さんはハサミを、うまく使いこなし、うまいヒトになると、薄い紙でも何でも切れるようになるでしょう

このように、現場の技術屋というか、我々は、こういうヒトをつくらねばなりません。こういう人材を多数育成し、工程改善などの現場革新と進まねばなりません。そして、最終目標は組織全員が技術屋さんです。お客様からみれば、我々の製品はスタッフ、現場があるよ。とは市場で訴えていません。たとえば、製品が台所用品の「タワシ」であれば、この「タワシ技術屋」さんを多数輩出し、揺るがない職場を創る。スタッフ、現場屋と分けることより、このことが大切です。

請負化が進む職場の中で、「全員が技術屋」こういう、職場が今こそ必要でしょう。