四季の鳥海山

早春の鶴間池  
                           2001.5.13


 春の陽が暖かくなってきた頃、鳥海山の自然を守る会の5月例会である自然観察会に参加する。 朝から抜けるような青空に誘われて集まったのは総勢29名、現地での合流を含めると34名というかなり盛況な観察会となった。

 湯の台滝の小屋道路は今日の登山道入口である山雪荘より少し下で積雪のために車を置いて歩き出す。 雪解けの荒木沢からの山頂の眺めを楽しんでから目的地の鶴間池を目指して下道を歩き始める。 

 通常、鶴間池に行く道は滝の小屋線の「のぞき」付近から一気に勘助坂を下るコースが一般的ですが、今日は「下道(したみち)」をのんびりとブナ林を歩くコースだ。このコースの道ははっきりしているのですが、季節によってはやや解りにくくなります。 特に残雪期は道も隠れて踏み跡もすぐに消えてしまい注意する必要があります。雪道でもおよそ1時間弱ほどの行程です。


荒木沢より山頂 雪解けの山雪荘 ブナ林を歩く
ブナ林を進む人たち ブナにも春の訪れ 池沢の流れと鶴間池小舎


ブナ林の芽吹き




 大人数の参加で迷う心配もなくそれぞれ好きな様にブナ林の残雪を歩く。ブナが芽吹き始めた頃とはいえ晴れ渡る青空と残雪それにブナの緑のコントラストに圧倒されてしまう。

 途中のブナの幹はノネズミがかじった跡が既に背丈よりも高くなり雪解けの早さを実感したり、小鳥の声に聞き入ったりしながら鶴間池に到着する。








鶴間池より山頂




鶴間池の鏡にように静かな水面には雪をいだいた鳥海が青空を背に悠然と写し出され、遠くマタフリの滝からは水音がかすかに聞こえて来る。この空間の中での美しい景観は太古の昔からずっと同じなんだろうなーと思いつつ見続けてしまう。
 
昼食後は「鳥海山のイヌワシ」と「鶴間池周辺の噴火と火口湖」のお話を聞いた後に時間があるので、「鶴間池を一周しよう」との声が上がる。







火口壁より噴き出す源流の水




 鶴間池周辺はやぶが多く、残雪期でなければなかなか池の周りをぐるっとまわって散策など出来ないことだ。6月頃には天然記念物のモリアオガエルの泡状の卵が木の枝などに沢山ぶら下がる奥鶴間は今だ雪に覆われていた。
 
 鶴間池小舎から見たマタフリの滝がこんなに近く見えるとは皆驚きながら、すぐ下まで比較的楽に歩けた。鶴間池に流れ込む水は鳥海山の湧水がその湧水地より滝となって流れ込んでいるとか。マタフリの滝の他にも古い火口壁の間から2ヶ所湧水が噴き出しており、雪の壁を少し登っては鶴間池に注ぐ源流の水を味わうことも出来た。
 
 遠く大空を舞う大型の鳥を見ては「イヌワシでは!」と歓声をあげたりと皆大満足の自然観察会となった。

 


マタフリの滝の直下まで進む 鶴間池を周遊する


反対側より鶴間池小舎を見る


 帰りはゆったりとしたブナ林の散策から一変して、難所の勘助坂を登ることになった。 雪が無い時期の下りでさえロープや鉄梯子にぶら下がりながら降りるコースが今は雪の壁となっている。 一人一人が慎重に雪の壁にステップを刻みながら登る。 
 滑落したら簡単には止まらないような斜面を登りきり、ようやく再び平坦なブナ林に出るとみんなホッとした顔になっていた。
 青空の下での今日一日の自然観察会の楽しい思い出と満足感で一杯にして、あとは雪の車道をみんな”のーんびり”と車まで歩くだけである。



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