山の自然を守るために


鳥海山南麓のイヌワシのヒナが、人工巣棚にて
2002年6月上旬 巣立ちを迎えました!!




 鳥海山湯の台地区のスキー場計画は13年にわたる反対運動により、ついには計画断念を勝ち取りましたが、反対運動に決定的な力となったのは鳥海山南麓の「イヌワシの生息」とスキー場予定地での頻繁な飛翔を確認したことでした。
 
 N川水系上流部の営巣地では1995年(H7年)と1996年(H8年)の2年連続しての営巣が確認されていました。ところが96年の秋に岩棚の崩落により巣棚も崩落してしまって、そのために翌年の1997年(H9年)には営巣が出来ないでいました。しかし1998年(H10年)の春に2年ぶりに一部残った巣棚でヒナを確認したものの、秋には再び巣棚の崩落という事態に対してついには「営巣地の岩棚の修復」が行われることになったわけです。
 イヌワシの巣の人工修復作業は98年の9月から始まり10月には完成を見ました。川の上流部の高さ36mの岩場に黒く塗ったステンレスのパイプを打ち込み、小枝などでやぐらを組んでより自然に近い状態に作られ、作業には鳥海山ワシタカ研究会の岩登りのベテランの会員がボランティアであたりました。こうした人工巣棚の修復は秋田県田沢湖町にて95年に実施され翌96年に営巣が確認されたケースがあるだけで、「他に適地が無く崩落した場所に戻ってきたイヌワシ」が再びこの場所で営巣することが待たれていました。

 あれから4年後の2002年(H14年)6月、待ちに待ったヒナの巣立ちが確認されたとのことです。
  
 昨年の秋口から頻繁に一緒に飛翔するペアが確認され求愛行動も見られたとのことで、「うまくいけば2月頃には産卵、3月下旬以降にふ化、6月頃には幼鳥の巣立ちが見られると良いのだが…」という声もあり期待していた人たちも多かったようでした。今回無事に巣立ちを迎えたことで情報統制も解けたのか、「巣立ちを迎えた!」との情報に接し多くの鳥海山を愛する人たちの中に大きな感動が拡がっています。鳥海山のスキー場計画を断念し、イヌワシとの共生の道を選んだ八幡町の町長さんをはじめとして町民の皆さんも本当に喜んでいるそうです。  

 雪解けの早い今年の山は「すでに夏山シーズン真っ盛り」のようです。 梅雨入りして間もない時期ですが、ぜひとも多くの方々に鳥海山の自然を楽しんでもらいたいと思います。
豊富な残雪とたくさんの高山植物がみなさんを待っています。 それに鳥海山のイヌワシの幼鳥も歓迎の姿を見せるかも知れませんよ! 
                                           2002.6.20
 


   鳥海山の鶴間池周辺のイヌワシのヒナが無事に巣立ちをむかえました!

 2002年6月に、以前修復された人工巣棚で巣立ってから、昨年は残念ながらヒナの確認はありませんでしたが、今年は2年ぶりに待望のヒナが既に巣立ち、3羽で悠然と鳥海の空を舞っているそうです。
天気の良い日などに、除雪されて開通した滝の小屋道路の「のぞき」あたりで待っていれば、ひょっとして幼鳥の姿を確認できるかも。 晴れわたった鳥海の大空を舞う3羽のイヌワシをみんなで温かく見守りましょうね。
聞くところによると、奥山林道の光台・上ノ台あたりの林道の両側で「ブナの伐採!」が行われているという悪いニュースも有ります。イヌワシの狩り場や高利用域には影響は無いのでしょうか?!
                                           2004.6.17



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