時が過ぎても変わらない気持ちを
時と共に変化した気持ちを
あなたへ……

いつもと同じ街並みが
色鮮やかに飾り立てられている
両脇に並ぶディスプレイは、1年に1度のその日が大きく描かれている
今年はどうしようか?
鮮やかな飾りを目にしながら、ゆっくりと通りを歩く
考え事をしながらも、迷う事無く足が進む
そうね、去年は…………
通い慣れた道
……それなら……
顔見知りと挨拶を交わして
考え事をしたまま、家へと辿り着く
“おかえりなさい”の声に笑って返事を返して
ふと、気が付く
―――当たり前の日常
繰り返される日常
平穏な日々
毎年繰り返される行事
今年も訪れるその日
「そう言えば………」
ふと思い至る
当たり前が当たり前ではなかった頃
幾年も前

今年は、当たり前を止めて見ましょうか?

いつもと変わらない日常
いつもと同じ生活
いつも通りの時間を過ごして
そして、ソレは今で終わり

「ラグナ……」
名前を呼んで微笑んで、小箱を差し出す
今では言葉にする事も無くなった感情
変わらない気持ちは、いつも穏やかに存在しているから
耳元に唇を寄せ、そっと呟く
――――――
あなたは照れたように笑った

 
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