生命

切り裂かれた地表の奧に時折見える優しい光
星を巡る命の鼓動
ライフストリームの流れ

遠く見える緑の流れに眼を奪われる
強く想うのは
あの場所へ“帰りたい”
なによりも懐かしく感じる場所へ
懐かしい人が眠る場所へ
引き寄せられるように、その場所へと近づいていく
いつかは帰る命
命の帰る場所
…………………
クラウドは、自分の両手を見つめる
「俺も、帰れるかな」
人とは違うモノに、自然では無いモノに変わってしまった存在も
いつかこの星の流れの中に受け入れられるのか?
淡い光を放ち、傷ついた大地を癒す緑の輝き
全ての生命そのもの
―――大丈夫だよ
耳に聞こえる軽やかな笑い声
一足先に星へと帰った命
楽しそうな声が聞こえる
――でもね……
幻聴かもしれないその声に、クラウドは小さな笑みを浮かべた
「そうだな、判ってるよ」
そして、光の滴を巻き上げ流れ続ける命へと背を向ける
魅力的な命の流れ
誘うような緑の煌めき
大地の奥底、ライフストリームが輝きながら通り過ぎた

激しく、優しい命の流れ
命そのものである力は、酷く危険なモノ
純粋な“命”という形に戻してしまうモノだから
“個”として存在するモノには、酷く危険
それは、巨大な“命”に溶け込んでしまうから
星を流れる一つの巨大な命として、記憶も感情も思い出も、全て一つに融けてしまう
遠い未来この場所に帰る事を願って
命が終わるその時まで、ゆっくりと生きていこう

――でもね……
………こっちにはまだ来たらダメだよ


〜FF7〜

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