朝、どこかわくわくした気分で目が覚める
いつもなら寒くて起きるのが辛くて
なかなか抜け出せないベッドの中
特別なこの日は、寒さも気にならない
ベッドから思い切りよく抜け出して、窓を覆うカーテンを開ける
冷たい空気が身体をなぞる
窓の外にはうっすらと積もった雪
手に触れたガラスがひんやりと冷たい
昨日と同じ、寒い冬の朝
冬の低い空に顔を覗かせている太陽
今日の天気はきっと晴れ
些細な事が嬉しくて笑みがこぼれる
そして、少しだけ早い一日の始まり

やる事は沢山、やりたい事も一杯
早くしないと!
って、焦る気持ちが在るけれど
まずはいつもの日常から
まだまだ時間は沢山あるから、慌てなくても大丈夫、焦らなくても大丈夫
何度も自分に言い聞かせる
それから、買い物
何食わぬ顔で出かけよう
気付かれないように、ごまかせる様に
気付かれたって良いけれど、どうせなら秘密にしてる方が楽しいから
だから、こっそりと
けれど、疑われない位に堂々と
秘密と共に出かけよう、そして帰ってきたら………

慌ただしくて、忙しい
彼が、帰ってくるまでの数時間
パーティーの準備
村全体のパーティーはもう少し先
村の女達が彼等には内緒で決めたささやかな約束
今日は、それぞれが大切な人達と共に過ごす日
誰にも邪魔されず、誰の邪魔もしないで
1年に1度そんな日があっても良いでしょう?

「ただいま」の声が聞こえたら
2人きりの小さなパーティー

 

戻る