目覚め


 
「ティナママをつれて行かないで!」
子供達の言葉
口々に、同じ事を言う子供達
その言葉を聞いて、心に不思議な感覚が芽生える
私はセリス達と一緒に行く事はできないと告げる
子供達の為に、何より自分の為に……

私は、あなた達を守りたかった
守る為の力が無かった
心を覚えて、力をなくした?
何かが分かりかけている
この子達と一緒に居たい
この子達の助けになりたい
この子達を守って……
もう一度、守る為の力を……

きっと、私が戦う為の力がなくなったのは、怖くなったから
人とは違う自分を子供達が怖がる事、否定する事が怖かったから
「私、分かるよ」
子供達の声
私のすべてを肯定する言葉
私は、もう一度戦いの旅に出た
子供達に、新しく生まれてくる命に未来を贈りたかったから
終焉に向かう世界ではなく
息を潜めて生きる世界でもなく
誰もが平和に、笑って暮らせる世界を…………
私を慕ってくれる子供達の為に
子供達と共にいたい私自身の為に
流されるだけじゃなく、戦う目的を見つけたから

そして――――
歓声が上がる
久しぶりに見る姿
みんな元気そう
後ろから、赤子を抱いた少女が走ってくる
「お帰りなさい」
腕の中へ飛び込んできた、幼子の言葉
私は、微笑みを浮かべ
「ただいま」
と答えていた 

END