お守り


 
小さな手が仕舞い込まれていた石とナイフを見つけ出した
??これ
「なぁーに?」
後ろを振返ったが答えをくれるはずの大人はいなかった
右手に石を左手にナイフを持って少女はしばらくの間じっとそれを見つめていた
「あ……」
突然のある考えが思い付き、ナイフに空いた穴へと石を嵌め込んだ
石がぴたりと嵌まった
不意に、石が煌く
周囲に閃光の様な光が発せられる
驚きに身が固めた少女の目の前にソレはふわりと浮かび上がった

お守りが暖かく光った
窓から見える人影の姿がくっきりと脳裏に浮かぶ
少し大人になった少女が、勢い良く後ろを振返る
「お母さん、お父さん帰ってきたよ!」
そして扉に向かい走り出す
先ほどの光景が現実になる事を少女は知っている
あの日手にいれた小さな飾りナイフは、これから起こり得る未来の姿を見せる
それが何故なのかは解らない
それは長い時を掛けて、少女が解き明かす謎 

END