跡  
       
      
 
      
      
 
 辺りに散らばるモンスターの残骸 
つい最近行われただろう戦闘の跡 
残されたモンスターの死骸へと目を向ける 
刻まれた戦いの跡に使われただろう武器が見て取れる 
銃弾の跡 
それはさほど珍しいものじゃない 
刻まれた跡もそこまで珍しくも無い 
ただ、撲殺された跡は……… 
我が軍ではあり得ない戦い方 
つまり、これを行った者は軍の人間では無い 
「勝手な戦闘行為は禁じられているはずだ」 
自然に戦闘となったのならば仕方が無い 
───自分の身を守る為の戦いは行うべきものだ 
だが……… 
辺りに斃れた大量のモンスター 
この光景はモンスターを集めて狩ったものだろう 
この光景を産み出した者は自信があったのかも知れない 
だからといって、見逃せるものではない 
必ず、すべてを仕留められるという保証はどこにも無い 
戦闘の最中、誰かが通りかかる危険性もある 
そもそも、こういった行いは禁止されている 
「どこの者の仕業だろうな」 
そう呟いてはみたものの 
この地でこのような戦闘を行うことの出来る者は限られている 
注意をしてもらわねばなるまい 
「証拠を集める必要があるな」 
戻り次第巡回の頻度を上げる通達を出そう 
………始末の手配も必要だな 
こちらへと向かってくるモンスターの姿が目にとまった 
      強いモンスターが居る 
生息場所によってモンスターの特徴が変わる事は有名だ 
エスタは比較的厄介なモンスターが揃っている場所 
厄介な割には、エスタへと向かうのは簡単だ 
実力をつけるためにも 
───実力を示す為にも 
エスタのモンスターと戦ってこよう 
そんな軽い気持ちで出かけ 
自分の行いがどんな結果を導くのか 
それを考えないまま戦い 
上手く戦う事ができる事に気を良くし、さらなる戦いを求め 
そして調子に乗った 
      入国の禁止 
ある日突然に、バラムガーデンへとエスタからの通達が行われた
 
 
 
      
 
      
      
 
      
 End 
 |