物語 

遠く未来を夢見る
───遠い過去を夢見る
遠い過去から遠い未来へと続く一続きの物語

物語を読んだ
主人公達が過去や未来を旅する物語
その旅の中で彼等は、過去を変え、未来を変えた
彼等の行いを否定する者は誰も居なく
彼等は当たり前の様に、自分の望む歴史を作っていた
だから………
だから私も、過去を会間見る
そんな不思議な力を持った私でも
………私なら彼等の様に過去を変える事が出来るとそう信じていた
何度もチャレンジして
失敗する度に言い訳をして
そうして、ようやく私には過去を変える力なんか無い事を悟った
物語は所詮物語
どんなに強く望んだとしても現実に、そんなに都合の良いことは起こらない

夢と現実との境で
遠い過去を夢に見る
私が知るはずも無い遠い未来を夢に見る
遠い未来から、過去へ移動した存在
それは私がやりたかった事
そうしてその先で………

過去は変わらなかった
未来を変えようと現在に現れた者は
その歴史を変えることは出来ず
決まり切った過去が描かれる
彼女が過去へと渡ること
ソレすらも既に描かれていた物語

決められた物語は始まりから終わりまで、変わる事無く続いて行く
私がここに居る事も
私が、こんな力を持つ事も………
きっとすべて物語に描かれていた事


 End