飽和 

ぼんやりとして考える
何をするか
どう時間を使うか
なんとなく辺りを見渡して
なんとなく、傍にある本へと手が伸びる
パラパラとめくり
なんとなく目を通して………

「やることが多いと、どうして良いか解らなくなるよな?」
いつのまにか過ぎ去っていた時間
気がつけば予定した時間はとっくに過ぎて
窓の外は暗くなっている
数日後に期日が迫っている内容
やらなければならない事
予定していた事
いくつか在ったそれは何一つ手つかずで
どれも全く進んでいない
何もせずに終わってしまった
そんな感想を口にした自分に向けられたのは、呆れた様な冷たい視線
………そんな反応されるのも仕方ないってのは解ってるけどな
無駄な事をする暇があるのなら、どれか一つに手をつけろって言うんだよな
それは解ってる
そのつもりでいた
………だけどなぁ
向けられた視線からさりげなく目をそらす
あからさまなため息が聞こえる
「まぁ、明日からやるさ」
まだ時間はあるからな
笑ってそう告げて
「………仕方ないなぁ」
そんな言葉を貰いながら考える
本当に時間があるのかどうか
………いいや不吉な事は考えたらダメだな
明日からでも問題なく間に合うはずだ
………多分、な
頭の中で明日からの予定を組み立てながら
明日からの事にはらはらしながら1日が終わった

数日後
「あの時のあの時間がなぁ〜」
まだ終わらない仕事に言葉がこぼれた

 End