責任

バラムガーデンの立場は微妙なものになっている
それは、だいぶ以前からの認識だったが
近頃ようやく、彼等もその認識を得る事が出来たらしい
“戦争”が無くなったから傭兵としての役割が減った
それだけではなく、“バラムガーデン”という存在が歓迎されていないという事
それにようやく気がついた
なぜ歓迎されないのか
その理由は解らないらしい
どうすれば良いのか?
なぜ受け入れられないのか
その事をわざわざ問い合わせて来るほどだ
彼女達にとっては当たり前の事で問題になるとは思いもよらない事なのなのだろう
そう教育されてきたのだから仕方が無いのかもしれない

「聞かれてもなぁ、それぞれ事情は違うと思うんだよな」
ガルバディアやドール、そしてバラムからの支援が減った
なぜなのか、どうすれば良いのか?
そんな疑問を投げかけられた
「何か思い当たる事はありませんか?」
真剣な表情で問い掛けて来る、が
「ってもなぁ、平和な時代に戦力は必要が無いって事じゃ無いのか?ガルバディアなんてのは、国内で十分だろうし」
あそこは正規軍の他にも“ガルバディアガーデン”なんていう予備軍も兼ねた施設が備えられている
まぁ、この間の戦闘で多少は減ってるだろが、戦いが無い今となればちょうど良いバランスだろう
「………そう、ですね」
腑に落ちないって顔をしているが、俺から言える事は他には無い
言ったとおり、他国の思惑なんか、正確に知る訳は無い
予測がついたとしても、それは自分達で思いつき、自分達で解決すべきはずの事だ
………まぁ、そうはいっても、彼女達自身には責任の無い事
だからこそ、それなりに軟化した態度で接しているんだが、それも気が付かないだろうな
考えている間にも話題は移行する
バラムガーデンへと対するエスタからの支援
なんらかの協力を取り付けようとする彼女の言葉は、いつもの様に受け入れることは無かった

「気づかないのも仕方ない、か」
そう教育されて生きてきた
彼等の中ではSeeDになる事は絶対で
SeeDとして任務を全うすることもまた絶対
「SeeDは疑いを持ってはいけないらしいからな」
それは言われたことをただ言われたままに行えということ
その生き方が身に付いた彼女達は、考えることができないだろう
“バラムガーデン”のあり方が拒絶される理由になっている事に
「責任者が早々に逃げ出しているからな」
すべての責任をとるべき責任者はその地位を明け渡し、のうのうとバラムガーデンで生活をしている
表に出るこの無い彼等に非難の声は届かない
だからこそ余計に、バラムガーデンへと積極的に関わろうという存在は居なくなっている
「さて、どうするんだろうな」
しらじらしく呟いた声は、やけに冷たく響いた

 End