討伐

時折発生するモンスター
増えすぎる前に定期的に間引きをする
それは、当たり前の義務
だからこそ、報告が上がる前に自主的に巡回を行い安全を確保する

兵士の巡回が行われる
モンスターってのは生命力と繁殖力が強いのか、ちょっと油断するといつのまにか増殖している
危険なモンスターが発生していないか
大量のモンスターが発生してはいないか
確認と間引きの為の定期的な作業
作業とは言っても、モンスター相手の戦闘、当然危険がある
任務に赴く兵士達の間にある適度な緊張感
いつも通り武器を手に取り車に乗り込む
彼等から向けられる幾つもの視線
遠くから聞こえるため息
「んじゃ、行くか」
危険があるのは解って居る
まぁ、それなりに戦闘が出来るっていっても、どっかのプロの様には行かない
兵士達がこっちを気にしているってのも解っている
自己責任、彼等にはなんの責任も無い
って言っても、現実はそうはいかないってことも解っている
けどまぁ
これも息抜き
偉そうにしていろって言われても、実際は偉いわけじゃない
ただ、成り行きで立場を手に入れて
それがそのまま続いているだけの事
あの時はここまで長くなるとは思っていなかったからなぁ
元凶を封じて
戦いが終わって
とりあえず、情勢が落ち着くまでの間
どこかに潜んでいる“魔女”の勢力
それを牽制し、殲滅する
その為だけの存在
それがいつのまにか変化し、長期間に渡った
「よし、止めろ」
そう遠くない場所にモンスターの姿が見える
車を降り、兵士達が武器を構える
モンスターの数は数匹
この人数で当たれば危険はほぼ無い
いつもなら、遠くから囲い込んで、安全な距離からの攻撃
危険を避けるなら当たり前の事
なんだけど、まぁ………な
彼等を制して前へ出る
あいつらの様に特別な訓練を受けた訳じゃない
あいつらの様に特別に力を持つ訳じゃない
けど、まぁ
「んじゃ、行くか」
いつも通り、いつもの3人で前へと出る
まずは、俺から
いつも通りの遠距離で、そして続けて───

いつも通り、気分転換の戦闘が終わる
辺りにはモンスターの死骸
血肉の匂いに新たなモンスターが集まることが無いよう後始末に焼き尽くす
「疲れたなぁ」
笑いながら言った言葉にいつも通り同意が二つ返ってきた

 End