確認


 
「なんだお前達は?」
門番といった所だろうか?
久しぶりに訪れた母校――と呼ぶべきだろうか――の入り口に武器を持った数人の人が立っていた
こんな奴ら昔は居なかったってのにな
「なんだって言われてもな……」
俺は困ったように相棒を見つめる
相棒もまた、俺にあわせ肩をすくめて見せる
「まぁ、卒業生、だよな」
困ったように告げる言葉に俺は頷いて見せた

「ってえっ!」
大げさとも取れる声が響いた
少年の声に合わせ、スコールもまた、顔をしかめ腕を押さえ踏鞴を踏む
仲間なのだろう、先を行きかけていた数人が足を止め振り返る
「何やってんだよ」
舌打ちと同時に聞こえる苛立った様な声
「もぉっ」
続いて呆れたようなため息
「あなた、大丈夫?」
様々な声が聞こえ
金の髪をした少女が一人スコールの側へと近づいてきた
「大丈夫だけど……」
スコールは戸惑ったような顔で、自分がぶつかった相手を見遣る
「お、おぅ、俺は全然何とも無いぜ!」
声を上げた事を恥じる様に顔を赤くして、弾かれたように動き始める
ほっとした表情を作り、スコールは彼にぶつかった事を詫びた
「いや、こっちこそ……」
謝りの言葉を口にしながら、彼は何か気にかかる事があるかの様な表情をする
「どうかしたってのか?」
先頭を歩いていた少年が声を掛ける
……剣?
コートの下に隠し持った武器が身体の動きに合わせほんの一瞬かいま見えた
「…………別に何でもねえよっ」
スコールがぶつかった相手が、ほんの一瞬こちらを気にしたように視線を投げた
……気がつかれた?
身体を一瞬冷たいものが撫でる
「ねぇ、早く行こうよ」
「おぅ、行くぜ」
嫌な方に流れ掛けた空気を断ち切り、彼等が走り去っていった
………………気付かれていない?
スコールは、足早に宿へと向かいながら辺りの気配を探り
ポケットの中に隠した小さな機械のスイッチを入れた

「いったいどうしたの?」
駅から離れた人目に付かない路地裏で、突然サイファーが歩みを止めた
「俺じゃなく、そいつに聞けよ」
サイファーが指し示した先にいるのは、背後気にする様に伺っているゼルの姿
「……ゼル?」
躊躇いがちのセルフィの声に、弾かれたようにゼルが振り返る
「……あ、ああ」
もう一度背後を振り返り、ゆっくりとこちらに近づいてくる
「……さっきの奴の事なんだけどさ……」
ゼルが話し辛そうに口を開いた

『…………SeeDの俺が気付かなかったんだぜ!?』
雑音混じりの声が聞こえ
スコールは、機械から耳を離した
彼等がSeeDなのは間違い無いみたいだな
自分が泊まっている宿の姿が見える
彼等の会話は、先程ぶつかった際に仕掛けた機械が拾い上げ、自動的に録音している
後は、キロスさんが戻るのを待つか……
現役のSeeDの発見
後は、自然に彼等と交流を持ち、彼等の現状を探らなければならない
……これからが本番なんだ
宿の前、別方向から歩いて来たキロスがこちらに気付き手を挙げた
  


To be continued

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