復活3



 
来るべき戦闘に備え、これから向かう先にある物
これから先予測される事態について、大まかにSeeD達へ説明しながらアデルの元へ車を走らせていた
やがて見えた巨大な装置
データ同様、辺りへと帰還した人々の姿は無く
最悪魔女が復活したとしても、ある程度の時間稼ぎが出来るとそう感じていた
―――その少女の姿は、巨大な装置の影になり見ることは出来なかったから
「気を抜くな」
何時解けるか判らない封印に、少し離れた場所で車を降り、武器を取り慎重に近づく
もしもを想定した役割を告げようとした時
「あれ、リノアじゃないか!?」
声にようやく小さな人影に気付いた
装置へと伸びた手
細かい動きは見えるはずもないが、封印を解除しようとする手の動きが見えた気がした
「やめなさいっ」
悲鳴に似た声が上がる
阻止しようと足が動き出く
巨大な扉が、ゆっくりと音を立てて開き出す
こちらを振り返った少女が、狂ったように声を上げて笑った

長年作動する事の無かった機械が次々と生き返っていく
流れ込んで来る情報の多さに眩暈がする
各地に侵入してきたガルバディア兵の動き
降り注いだ月の涙の影響
宇宙から逃れてきた人々の現在地
そして、アデルの落下地点
片隅で点灯を繰り返す警戒信号が、封印がぎりぎりの所で保たれている事を知らせている
各地から指示を仰ぐ通信が入る
安全な場所への誘導、避難場所の防御
行うべき事は数多く有るが、目はどうしても点灯するランプへと向かう
―――間に合えよ
幾度と無く思った言葉を繰り返す
“魔女”の復活よりも先に………
思考を遮る様に、高音の音が響き渡る
警告音に走らせた視線の先には、封印解除の文字
身体が凍りついたかの様に止まる
息を飲む音が聞こえる
―――冗談だろ………
「ーーっ、非常警戒だっ」
かすれた声が耳を打った

悲鳴を上げてリノアが倒れる
やけにスローに開いていく巨大な扉
複雑に絡み合った機械の内側から人影が現れる
「なんでリノアがっ!?」
「今はそんな事を言ってる場合じゃねぇっ」
姿を現した魔女が俺達の方へ視線を向ける
“ぞくり”と背中を冷たい物が走り抜ける
覚えのある感覚、脳裏に浮かぶ“魔女”の姿
「避けろ」
背後から聞こえた声に“魔女”の元へと進みながらも身をかわす
空を切り裂く鋭い音
“魔女”の身体の中央で起きる小さな爆発、衝撃に身体がよろめく
「今の内に攻めるぞ」
背後からの声に答える様に、サイファー達は魔女へと最初の攻撃を繰り出した
 

 To be continued


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