抜ける様な青空を見上げる
こういうのを澄んだ青空っていうんだろうな……
太陽の光にまぶしげに手をかざす
かざした手の隙間から、太陽の光がみえる
目に飛び込む強い光に、目を細めて見る
じっとしていなければ気が付かないほど微かな微風を感じる
爽やかな風
気持ちの良い天気に自然と微笑みが浮かぶ
微かに名前を呼ぶ声が聞こえた
ゆっくりと視線を降ろす
目の前に広がるのは、色とりどりの花々
遠くには、今が盛りとばかりに花を付けた木々
その木々の手前で大きく手を振るレインの姿
手を振り返すと、柔らかな笑顔が広がっていく
ラグナは引き寄せられる様に、一歩足を踏み出した

「これ飾るのか?」
両手の中には彩り取りの花
「そーよ」
レインの手が咲き誇っている花を摘みとる
「摘みすぎじゃないか?」
追加された数本の花を受け取り落とさないよう慎重に抱え直す
「そうかしら?まだ足りないと思うわよ?」
笑いを含んだレインの声
「足りないって……」
まさか、家中に飾るんじゃない、よな?
全ての部屋に花を飾るつもりなら確かにこの量では足りない
足りないどころか、一度で持ちきれるはずもない
「……これくらいにしましょうか?」
ラグナの思いを見透かしたかの様に、明るく笑いながら告げる声
先に立ち歩き出すレインの腕の中にも摘み取った花
優しく花が香る
良い匂いだな……
「でも、花があるっていうのは悪くないでしょ?」
問いかける様な、確認
タイミングの良いその言葉に
ラグナは笑みを浮かべた

部屋の片隅に花が飾られている
色鮮やかな色彩
窓の外から吹き込む風が静かに花を揺らした
 
 

END