涼
「今日も良い天気ね……」
窓を開け放ち、ため息混じりの独り言
天気が悪いのも困るけど、良すぎるのも困るのよね……
微かに熱気の混じった風が窓から吹き込む
「…暑くなるわね」
風を受け、レインは断言した
「そろそろ起きなさい」
家人に声を掛けながら家中の窓を開け放つ
「……ん〜〜」
ベッドの中から微かな声
僅かに身動ぎ
………………………
再び眠りに落ちる
「もうっ」
諦めに似たため息
「だから早く寝なさいっていってるのに……」
どうしても起きようとしない子供達にため息をつく
…………いやでもそのうち目がさめでしょうけど
微かな笑みを浮かべ、部屋の電源を落とした
午後、太陽が高く上がり気温が跳ね上がる頃
レインは、背後の扉が開く音を聞いた
「おはよう、おそ………」
「今日も暑いな……」
レインが見たのは眠そうなラグナの姿
「あら、もう起きたの?」
窓も開けてないし、冷房も入れてきたはずなのに………
「ん、ちび達が暑いって……」
あの子達!!
ラグナの言葉が終わらない内にレインは部屋を飛び出した
「………レイン?」
背後でラグナが呼び声が聞こえた
「2人とも何やってるの!」
冷房の効いた唯一の寝室には、予想通り子供達の姿
眠りが浅かったのか、2人とも慌てて飛び起きる
「あ……」
「えっと……」
必死で言い訳を探す2人の様子にため息が出る
「言い訳は良いから、今すぐ起きて、お父さんにベッドを返しなさい」
「はーい」
小さな声で返事を返すと、足早に逃げ去っていった
「……油断ならないんだから……」
軽く頭を左右に振り、レインはラグナを呼びに向かった
こんな、ある夏の休日
END
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