休息


 
女性陣2人が旅行に出かけて
家の中に二人だけが残された
今日はとりあえず休日で、スコールと2人だけ
さっきからスコールは眠そうな目を擦りながら一生懸命起きている
眠いなら眠った方が良いぞ
何度か口に出かけた言葉
スコールの心情を考えて、口に出すのは止めといた
こういう日にお昼寝なんかするのは、悔しいんだろうしな
その代わりスコールを抱き上げて、二人でテレビ見ている
眠い時は眠らないと身体に悪い
だけど、寝ろとも寝るなとも言えない
だから、自然に眠ってしまうように、少しばかりずるい手だけど、この際目をつぶって貰おう

しばらくして、耳元をくすぐる安定した吐息
「スコール?」
本当に眠ってしまったのかの確認
確認したことで、起こしたら元も子もないから、小さな声で恐る恐る呼びかける
帰ってくるのは寝息
ほっとしたのと、残念なのと
綯い交ぜになった複雑な思いで、スコールを抱いたままベッドへと運ぶ
子供は寝るのも仕事の内
どこかで聞いた言葉が頭の中に浮かび上がる
ま、大人だって似たようなもんだけどな
ベッドの上に
そっとスコールを横たえた

暖かく、心地よい感触
スコールは緩やかな眠りの中からゆっくりと目を覚ました
………………
ぼんやりと辺りを見渡し
そして、飛び起きる
「お父さん!?」
「はいよ」
後ろからすぐに帰ってきた返事
慌てて振り返ると、テーブルの上で紙の束を広げていた
「今ちょっと忙しいから、待ってくれよ」
そう言って、ペンで字を書いてる
……お仕事中?
よく見たら、ここお父さんの部屋だ
「うん、判った」
お父さんの部屋で、お父さんのベッドで、お父さんが居て
とっても安心する
もう一度ベッドの上に寝ころんで
そして、いつの間にか…………

静かな時間が過ぎた
一言もスコールが話をしないことに気がつき顔を上げる
「スコール?」
……反応がない
すねたかな
そっとベッドを覗き込むと
「……寝てるのか」
安心したように眠る姿に、笑みがこぼれた
 

END