誕生日………
ダイニングのテーブルで
どうしよう?
スコールは1人考える
すぐ近くから聞こえるリズミカルな音
お母さんが、忙しそうにお料理してる
「……………」
美味しそうな良い匂い
お母さんは、お父さんの好きなモノを作ってる
誕生日の、プレゼント
お姉ちゃんはもうとっくに用意したって言ってた
スコールは、テーブルの上に顔を寄せる
お父さんが欲しいモノ……
……知らない
テーブルの周りを動く影を見るともなく、眼が追う
何が欲しいんだろう?
何か欲しいモノがあるのかな……
ずっと考えて
考えても考えても、思いつかない
お父さんが何か欲しいって言ってるの、聞いたこと無い
スコールはテーブルの上からゆっくりと顔を上げる
おねえちゃんは、お父さんの欲しいモノ何で判ったんだろう?
「お母さん………」
「なーに?」
手を止めず忙しそうに動き回る
「お父さんが欲しいモノって何?」
レインは動かしていた手を止めた
スコールが期待と不安とが混ざった眼でレインを見つめる
「なーに、プレゼントを渡したいの?」
「うん」
「そーね………、お父さんには聞いたの?」
「ううん、聞いたらダメだもん!」
そうしたら、お父さん驚かないよ
「そっか……」
レインが頬に手を当て考える
そして、だいぶ時間が立った頃
「それじゃあ……」
一つの提案を聞いた

夜の静寂が辺りを包んでいる
ごちそうを食べて、プレゼントを貰って
誕生日の夜
ラグナは子供達に渡されたプレゼントを開ける
「なーに、嬉しそうね?」
ラグナの手元を覗き込んだレインの声
「そりゃあな」
自然と顔に浮かぶのは満面の笑み
「2人から貰えるなんて、思ってもいなかったからな」
手の中には
エルオーネから貰った手帳と
スコールに貰ったペンがあった

次の日から、ラグナの愛用品の中に2つの品物が追加された

 

 

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